チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第190話 公然の秘密

2011年11月20日 | チエちゃん
本日11月20日は、福島県議会議員選挙の投票日でした。


次の日曜日に、村議会議員の選挙投票日を控えたある日のことです。

おじさん:いらったがい?(居ますか?)
お母さん:ああ、ご苦労さまだない。
おじさん:今度の日曜には、ひとづよろしくお願いします。
お母さん:はいはい、うちはもう全員○○さんに決めてますがら・・・
おじさん:そうがい。ほんじゃ、安心しました。
     んだげんちょも、選挙は開げでみねど、わがんねがらない。
それから、おじさんは懐から封筒を出し、
おじさん:くれぐれも、よろしくお願いします。
と言って、封筒を畳の上に置くと、そそくさと帰って行きました。

お母さん:まったぐ、困ったもんだ。
     こんなごどしなくたって、○○さんに入れるのに。
     国や県の選挙は遠いがらいいげんちょも、村の議員は地元だがらなあ。
     うるさくて、かなわね。
     チエ、あのおじさんがこの封筒持ってきたごど、
     絶対よその人に言っちゃだめだぞ。
チエちゃん:母ちゃん、それ、もらっちゃダメなんじゃないの?
お母さん:ああ、そうだよ。だがら、誰にも言っちゃダメだよ。
チエちゃん:だったら、もらわなきゃいいのに・・・
お母さん:そんなごどしたら、あそごの家はうぢに入れながったって、
     後々まで恨まれるがら。
     それに、どごの家でも、もらってるんだがら。

ははぁ~、これが公然の秘密というものか。
そして、お母さんは、どこの家でももらっているということで、良心を納得させようとしているのだとチエちゃんは思ったのでした。