チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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はじめての方は「チエちゃん」のカテゴリからお読みいただくことを推奨しています。 もちろん、どこからお読みいただいてもかまいません。

第141話 笑 顔

2008年03月28日 | チエちゃん
 人があんなにうれしそうな顔をするのを見たのは、チエちゃんがこれまで生きてきた中で、あの時が最初で、最後だったと思うのです。

チエちゃんとヒロシは、或る事情から入籍を先にし、その約2ヶ月後、結婚式を挙げたのでした。

その日、結納を交すと同時に入籍を済ませ、やっと二人だけで部屋に落ち着いた夜(つまり、初夜かな?実際はちがうけどね・・・)、ヒロシがチエちゃんに見せた笑顔。

これでもう、チエは俺の物だと言わんばかりのニヤケ顔。

あとから、あとから、うれしさが込み上げてくるその笑顔。

後に、夢であったクルマを手に入れた時でさえ、見せなかった笑顔。

子どもでさえも、あんなにうれしそうな顔をするのを見たことはありません。

チエちゃんは「人って、本当にうれしい時はこんな顔するんだ」と唖然と見つめていたことを覚えています。

それから、チエちゃんは、ヒロシに笑顔を返し、思いました。

 よかった・・・
 この人と結婚してよかった・・・

心から、そう思ったのでした。


 私は、あの時、ヒロシがチエちゃんだけに見せてくれたあの笑顔を、今も忘れることができません。

28年前の3月29日の出来事です。

第140話 送り彼岸

2008年03月24日 | チエちゃん
 暖かい春の日和の中、5歳のチエちゃんは、お母さん、おばあちゃんと送り彼岸の墓参りにやって来ました。
チエちゃん家はおじいちゃんが初代でしたから、まだお墓がありませんが、親戚のご先祖様のお墓参りをするのです。
荷物は、ぼた餅とお煮しめの入った重箱、お茶の入った小さな薬缶、線香とマッチ、それから、彼岸花も忘れずに持ちました。
約1㎞の道のりをテクテクと歩いてゆきます。

 チエちゃん家が檀家となっているお寺は山の中腹にありました。墓地は、その西側斜面に段々に並んでいます。
あちこち親戚のお墓を巡るには、斜面を上ったり、下りたりしなければなりません。墓地の間の小道はところどころ松の根っこがゴツゴツと露になっています。

 チエちゃんは、何時になく、はしゃいでいました。

 走ると ころぶぞ~!

言われたそばから、チエちゃんは松の根っこにつまずいて転んでしまいました。

 うえ~ん、・・・・・

お母さんに抱き起こされたチエちゃんの額から、血が噴出しています。

 お墓でこさえた傷は残るっていうがらなあ
 チエの顔にキズでもついたらなじょすっぺなあ

おばあちゃんも心配そうに覗き込んでいます。

 チエちゃんの額の出血はまもなく止まり、傷も大したことなく完治したのですが、やはり、おばあちゃんの心配のとおり、そのキズは残ってしまったのです。
余程注意をして見なければ、気付かないくらいの痕なのですが、古い言伝えというものは、あながち迷信とばかり片付けることができないものだと、墓参りをする度に思い出されるのでした。

なめんなよ

2008年03月20日 | 昭和なもの
う~ん、また、しょうもないものを見つけてしまいました。

昨日、身分証明のために運転免許証を出すことになったのです。
あれっ、これなに?

そうだ! おまわりさんに止められた時、シャレで使おうと思って入れてたんだっけ・・・  
幸い、まだ一度も使ったことはないのだけれど。

昭和56年かあ・・・
あの頃、なめ猫が流行ったのかあ・・・

そういえば、チエちゃんもこの年に運転免許を取ったんだ。
それまでは、「あなた運転する人、わたし横に乗る人」と決めてたんだけど、
突然、自分で運転して何処にでも行けたらステキかも!と思い立ち、ヒロシに相談したら、「うん、免許取れよ」ということになったのでした。

なんだか、ブログを始めた時と似ている・・・

早速、自動車学校の入学の手続きをして、仕事が終わってからの夜間と日曜日に通い、3~4ヶ月くらいで、免許を手に入れたのだったかな?
途中、坂道発進と縦列駐車ができなくて、投げ出したくなった時があったっけ。
初めて路上に出たとき、いきなり道路脇の雪の山に突っ込んで、先生に出してもらったこともあったなあ。

ちょうど免許取立ての頃に、あのウェーバーキャブの車に乗ってたので、チエちゃんも運転したんですよ。
でも、うまくクラッチを繋ぐことができたのかは、疑問ですけどね。

今なら、たいていの車は運転できる(と思うけどね?)

それから、しばらくしてヒロシは営業の仕事に転職して、チエちゃんとはお休みが全然合わなくなっちゃった。
あの時、運転免許取っておいて、つくづくよかったと思ったのでした。





仮面ライダー

2008年03月16日 | 昭和なもの
 世の中、昭和ブームらしい。
現に、こうして私も昭和のメモリーをブログにしているくらいですから。
テレビのパチンコCMを見ていても、そう思います。
必殺仕置人、ルパン三世、北斗の拳・・・ なつかしのキャラがたくさん登場しています。
これって、40代・50代をねらっていますよね。

 ところで、最近、気になるCMがあります。
週刊でシリーズ物を次々と発行しているあの出版社の「仮面ライダー オフィシャル データ ファイル」です。
秘かに、買おうか買うまいか、迷っています。
実はチエちゃん、かなりのオタク(?)だったりして・・・
この出版社、大人買いできる世代の心をくすぐる企画を考えているなと感心しております。

 チエちゃんは、どちらかといえば、ウルトラマン世代ですが、仮面ライダーは弟が見ていましたので、一緒に見ていたのです。
何といっても、1号ライダー 本郷 猛、藤岡 弘さんがいいですね。
次に好きなのが、アマゾンライダーです。他のライダー達とちょっと違ったマスクがたまりません。
それから、シリーズを通して大好きだったキャラが、立花藤兵衛さん。
俳優は故小林昭二さんで、名脇役でした。


画像は、チエ家の冷蔵庫に貼り付いているXライダーとショッカーの怪人、戦闘員



キャブレター

2008年03月08日 | チエの玉手箱
この前、箱スカのウェーバー3連装映像を見せていただき思い出しました。
うちにも、あったはず!
 アルバムをあちこち、探してみました。
あった!あった!
 この写真、なつかしいね?
 これで、どれくらい馬力アップしたの?
 せいぜい1割くらいなか? ターボなら5割アップだけどさ! 
たったの1割?それなのに、いじり回して、あんなに喜んでたの?
男の子はこういうの、一度はやってみたいんだよね・・・
フェンダーミラーもなつかしい・・・

第139話 ピーターパン

2008年03月04日 | チエちゃん
 チエちゃん家には古ぼけた本箱がありました。
新品の時には、さぞかし立派であったと思われ、ガラス戸の内側にはカーテン様の布が付いておりましたが、あの頃すでにすすけた茶色に変色しており、扉を開ける時もギィーと不気味な音を立てていました。

 その本箱の中には、桃太郎、さるかに合戦、はなさかじいさんの絵本、賢三兄からもらった「冒険王」やまぼろし探偵が連載されていた「少年画報」、お父さんの好きな山田風太郎の忍法帖、農家の雑誌「家の光」などに混じって、一冊のディズニーマンガがありました。

 それが、当時珍しいオールページカラー印刷の「ピーターパン」だったのです。
ディズニーアニメそのままの絵が並び、チエちゃんを夢の世界へと連れて行ってくれたものでした。
小さな妖精ティンカーベルはチエちゃんの大のお気に入りだったし、フック船長とピータ-パンの息詰まる戦いにはハラハラドキドキさせられました。

 ところが、このマンガ、表紙が破れてなくなっていて、最初の4・5ページ部分も失われていました。
この物語の最初はどうなっているのか、どうしても気になったチエちゃんは、長じてから、あちこちの本屋を探し回ったのですが、とうとう同じマンガ本を手に入れることはできませんでした。

 今なら、40年前の思いをなんとかできるかもしれない。
こんなに、インターネットが発達しているのだから・・・・