日曜朝のまどろみの中で、私は寝返りをうった。
その時、何やら脚に違和感を感じた。
冷たい!
私は、一瞬で目が覚め、ガバッと飛び起きる。
やられた!
ここ数日、我が家はおねしょの被害にあっている。
冬の間は私たちの布団に潜り込んで寝ていた猫たちが、暖かくなって、ボブはヒロシの、キャシーは私の布団の上で寝るようになっていた。
5日前の夜中、ボブが突然ヒロシの布団の上で、おしっこをしてしまったのだ。
正しくは、それはボブのおねしょではなく、マーキングとうのかもしれない。
眠っている時、知らぬ間におもらししている訳ではなく、確信犯だからだ。
その被害が、今朝は私の布団だったわけだ。
少し語気を強めてボブを叱ると、彼は身体をくねらせ、顔を床にこすり付け、照れくさそうにする。
やはりネコなりに、気まずいのだろうと思った。
そういえば、チエちゃんにもそんな時があったっけ・・・
夕飯後に出された梨がことのほか美味しく、テレビを見ながら、何個も食べてしまったチエちゃんです。
「もう、そのへんにしとげ。おねしょするようになるぞ。」
「だいじょぶだもん。もう、おねしょなんかしないもん。」
そう言って、おばあちゃんと布団に入ったチエちゃんは、夜中に揺り起こされました。
寝ぼけ眼のチエちゃんは、なぜ起こされたのか分からないままです。
「だがら、言ったべ。食い過ぎだぞ」
お尻のあたりが、冷や冷やしてきました。
「ほら、早く着替ろ!」
(しまった! やっぱり、梨を食べ過ぎた!)
そういえば、さっきまで夢を見ていたような気がします。
おしっこがしたくて、急いでお家に帰ろうとしていました。
もう、漏れそう。ダメだ!
そう思ったとき、目の前に、お家の便所が現れ、よかった間に合った・・・
翌朝、あれはおねしょをした夢ではなかったのか?と思うものの、お布団の地図を確認して、
(ああ、どんな顔で茶の間に行ったらいいのだろう?)
なんとなく恥ずかしく、やっぱり母ちゃんの忠告を聞いておけばよかったと後悔するチエちゃんなのでした。