プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

☆デナリ国立公園のルール

2004-09-07 14:03:38 | 旅行記
 2004年8月31日快晴。ワイルドライフ・ツアーに参加した。
デナリ国立公園といえば、世界でも屈指の自然の宝庫。日本の四国以上の広さがあるこの公園は、野生の動物をそのまま手付かずにしている。世界中の動物好きや自然派を惹きつけてやまないデナリナショナルパーク。動物が主役で、訪れる人間はお邪魔する脇役に徹するのがここのルール。そういった配慮がツアー中、いたるところに見られた。

 弁当や飲み物は、車内で飲食し、車外持ち出しはいっさい禁止。
空き缶や弁当(紙製のランチボックス)も捨てずに持ち帰るのはもとより、車内に回されるリサイクル袋に解体して入れることになっている。また、途中休憩時にコーヒーブレイクがあったが、バス内で紙コップにコーヒーの粉末・砂糖等を入れ下車し、バス後部にある給湯器のお湯をサーブして飲む。これは、コーヒーの粉末が地面にこぼれるのを防止するためだそうで、野生の動物に人工的な食べ物を一切与えないための対策だ。

 広大な公園内には、自然道が1本通っているだけで、マイカーは特別の許可がある場合以外、乗り入れ禁止。主役の動物が道路を横断する時、バスは臨時停車するので計画通りに運行されない。すべて、運転手の判断によって運行される。運転技術はもとより、動物達との接遇やガイドまで一人でこなすので、きわめて厳しいテストに合格しないと運転手にはなれないそうだ。危険がつきまとうので、生命保険料の掛け金が二倍になったとドライバーは苦笑したが、その顔は自然とともに生活する喜びに満ち溢れ輝いていた。

 

 


☆26氷河クルーズ

2004-09-07 13:47:54 | 旅行記
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 26ある氷河は、すべてアメリカの大学の名前が付いている点がユニークだ。ハーバードやコロンビア、エール等々。その氷河を研究した学校名をつけたそうだが、なぜか湾の左側が女子大で右側が男子校の名前が付いている。 ハーバード氷河は、学校名同様、カレッジ氷河の代表格でバリー入り江の最深部に位置する。あたかも、他の氷河群に睨みをきかせているかのような存在感があり、その規模に圧倒された。

 地球の温暖化現象は、アラスカの氷河(日本の面積の約20%に相当)でも例外ではなく、「氷河の後退現象」が起きているそうだ。これは、温暖化で氷河の崩落・流出が早まり、地表が現れてくることを意味し、その速度は1日数メートルにおよんでいるとか。降り積もった雪が1年かけて圧縮(10メートルの雪が数十cm)されて空気が抜け、青く透明な氷河(グレーシャー・アイス)になるのだそうだから、流出量が多くなれば後退するのも当然なことだ。

 世界最大級といわれるコロンビア氷河では、200m位のきょりまで接近し停船したので、ラッコやアザラシの生態を間近に見ることができた。同時に氷河の崩落シーンも初めて目にした。独特の青色(グレーシャー・ブルー)の塊が轟音とともに崩れ落ちる迫力に息をのんだ。貴重な氷河観光を楽しんだが、地球全体の自然環境や生態系のなかでどのような悪影響があるのか複雑な思いが一瞬、頭をかすめた。


☆アラスカ鉄道の旅

2004-09-07 11:29:01 | 旅行記
 2004年8月30日午前8時15分にアンカレッジ駅を出発した列車は、定刻どおり午後3時45分デナリ駅に到着した。所要時間7時間30分のアラスカ鉄道は、果てしなく続くツンドラ地帯をひた走る。
アップダウンの多いスイスの氷河特急と違い、広大で平坦な原野を時速40㎞位のスピードで走る単線の特急列車だ。夏期でも1日2便、冬期は週1便になる鉄道だが、ハイウェイを車で走るよりも人気があるようで、10数両立ての車両はいずれも満員状態だった。

 興味深いのは、列車の構成。普通車両は、coachと呼び日本国内を走っているものと同様だが、ドームカー(展望車)の方はユニークなシステムだ。2階建てのドームカーは、2階が客室、1階が食堂になっているのだが、この車両はアラスカ鉄道会社のものではなく、民間の会社が車両毎レンタルしている。したがって、車両毎にネーミングが違うし、サービス内容も異なることになる。他の車両へ行くことも出来ない、完全に独立したレンタル車両が何両も連結されている勘定だ。coachカーにもダイニングは連結されているが、少々割高でもドームカーがお勧めだ。

 私が乗った車両の通路はすべてカーペット張りで、さながら動く応接室だ。客室最前部には、ドリンクバーがありコーヒー・紅茶は無料。アルコール類は有料だが、ビールが4ドル、ワインの小ボトルが5ドルだからリーズナブルだ。車窓の景色を堪能しながら口にするワインの味は格別で、ついつい杯を重ねてしまい眠り込み、女房殿に何度も起こされる始末。

 窓外は、広大なツンドラ地帯が続くが、すでに黄葉も終わりに近く、尾瀬の草紅葉に似た赤い絨毯様の草花も色褪せて見えた。無数の小さな湖沼にビーバーダムが作られていたが、肝心のビーバーの姿は発見出来なかった。眠気を誘うのんびり旅だが、ポイントだけはしっかり押さえてカメラにおさめることができた。(?)と、満足している。