政権発足前から、マスコミの取材攻勢に晒されている鳩山民主党。それだけ期待が大きいことの表れでもある。だが、マニフェストに掲げた政策を実行することはどれ一つとっても並大抵ではない。
代表格として引用される、群馬県の八ツ場ダム工事の中止問題。1952年に計画発表されて半世紀経って、来年完成予定の段階だけに、関係者の反応は複雑だ。まさに「進むも地獄、退くも地獄」の感を呈している。
また、高速道路の無料化問題は、受益者と車を持たない人との負担の公平性や、環境問題から財源論まで広範囲にわたるので更に厄介だ。高速道路建設当時のいきさつを振り返れば、無料化が基本原則だが、mustなのかは疑問だ。
一方、子供手当ての支給は、損得勘定ではない。子供のいない人には増税になるとの批判に負けるようでは、何も改革できない。日本の将来を誰に託するのか。少子高齢化社会における国益は、医療・年金・教育等々の社会保障制度の充実だ。
利害相反するものはたくさんあり、「総論賛成・各論反対」となるのは目に見えている。新政権には、マニフェストを100%実現などと欲張らず、優先順位の高い政策に集中する姿勢を期待したい。