旅行先としても人気が高いパースには、現在、約3,000人の日本人(移住者とロングステイヤーが半々)が住んでいる。退職後の移住やロングステイ、或いは、ワーキング・ホリディでも人気を誇る理由は、総じて次のようなもの。「気候温暖で自然が豊か」、「治安が良く、医療体制が充実している」、「物価が比較的安い」「ゴルフのプレー代が安い」等々だが、私の印象はいささか異なる。
住み易さの理由の第一に挙げられる「気候は地中海性気候で温暖」は、むしろ暑いという方が正確だ。今は、秋から冬への移行期だが、滞在中、連日32℃~35℃だった。夏は35℃~40℃超は珍しくなく、日差しは強烈でサングラス・帽子は必需品だ。湿気が少なく日本のように蒸し暑くないので凌ぎ易いが。
「治安が良い」は、他の外国と比較しての話しで、夜間、入り込まない方が無難なエリアは存在する。また、物価はシドニーの方が安く、パースは東京並みかそれ以上で高い。日本の食材は十分入手可能というが、品質面でとても満足出来るレベルではない。ゴルフ代は、べらぼうに安いがパースに限ったことではない。
数年前のガイドブックを参考にしていると、現実との違いに戸惑うと思う。パースは、好景気でインフレ進行中の最前線の町ということを記憶に留めたい。同時に、為替変動が激しく、換算レートは2009年3月で1豪ドル=70円前後だったのが、今は90円前後と20%近く円の価値が落ちている(成田空港で両替した時は、98円)。