1月11日 荒川

2009年01月14日 | 風の旅人日乗
東京湾。日没近くまでセーリング練習。
練習を切り上げてマリーナに戻るとき、
東京・荒川に掛かる、JR京葉線と東関東自動車道が走る橋の下を、
スピネーカーを張ったまま通り抜けた。

川上からも川下からも、
接近してくる船がないことを確認した上で、
エンジンもスタンバイして、
いつでもスピネーカーとメインセールを降ろせるようにクルーを配置して
ある願いを込めて、セーリングで鉄橋をくぐった。

そうしたら
なんと、願っていた通り、橋の下に差し掛かると、
京葉線の上りと下りの電車が一本ずつ、
その橋の上をナイスなタイミングで通り過ぎた。

あの電車に乗っていた数千人の乗客の内の、
海側の窓から外を見ていた数百人の内の、
数十人くらいはきっと、
羽田の向こうに沈もうとしている夕陽をバックに、
オレンジ色のスピネーカーを揚げて
風に乗って東京湾から荒川を遡ってくるヨットを見てくれた、
と思いたい。

その数十人の内の、
数人が、
その光景を見たことをきっかけに
ヨットという船のことや、海に出て遊ぶことに興味を持ってくれたとしたら、
本日のぼくの企みは大成功。

小さな一歩一歩であっても、
日本の国土に住む日本人たちが、
海やセーリングに興味を持つようになることに役に立つにはどうしたらいいかを、
常に頭に置いて行動したいと、
これまでも、これからも、願っている。

1月10日 ベイサイドマリーナ

2009年01月14日 | 風の旅人日乗
相模湾でセーリングした後、新逗子から金沢八景に出て、
シーサイドラインに乗り込む。
冬の太陽が三浦半島の向こう側に姿を消したところだが、
その上空が、恐ろしいくらい鮮やかなオレンジ色に染まっている。
冬至を過ぎてまだ3週間しか経ってないのに、もう随分日が延びてきた。
年末をひかえていた頃、午後5時はもうとっぷりと暗かった。

鳥浜の駅を降りて、アウトレットからの帰りの人の流れに逆らうようにして、
ベイサイドマリーナに向かって早足で歩く。
まだ人の賑わいが残るショッピングモールを通り抜けて、センターピアへ。

満月を明日に控えた月が、房総半島の上に掛かっている。
内装の木の肌に温もりを感じられるくらい使い込まれて、
オーナーの人柄に馴染んだ36フィートのトローラーのキャビンに入る。

これから、いろんな世界のプロフェッショナルたちの仲間内での新年会。
今夜はその人達の、深遠で楽しい話を聞きながら楽しい時間を過ごす。
夕方から吹き始めた北風が強くなってきた。
その風がフネをゆっくりと揺らし、
美味しいお酒にほんわかしてきた身体に心地良い。