VOR プーマ

2009年01月26日 | 風の旅人日乗
[photo : Rick Deppe/PUMA Ocean Racing/Volvo Ocean Race]

1月24日、南シナ海でブームを折ったプーマは、
そのブームを外して、
デッキに直接メインシートを取り回して、ルソン海峡を北上していたが、
風が落ちてワンポイント・リーフを解いてフルメインにする作業をしているときに、
スキッパーのケン・リードがブロックに手を食いつかれ、
左手人差し指を半分以上失う大怪我をしたようだ。

ケン自身がメールで書いてきているが、
陸上の家族を心配させないよう、ユーモアを交えて書くように努めている。
それが、読んでいて、逆に辛い。

今後順調にいったとしてもチンタオへのフィニッシュまで後数日。
東シナ海に入るともう一吹きありそうだし、
北上して気温が下がると、痛みも辛くなるだろう。
頑張れ、としか言えないけれど・・・・

クラックが入ったバウ船底の修理をルソン島の風陰で終わらせて
アンカーを揚げ、ルソン海峡を北上し始めたグリーンドラゴンだったが、
その修理が思ったような効果を上げてなかったことが判明し、
再びルソン島の島影に隠れ、海況が収まるのを待っている。

しかしこの後、台湾を交わして東シナ海や日本近海に来ると、
海況はさらに悪くなる。
船底が弱いままではその海を風上に走るのはかなり辛い、
というかヤバイだろう、と思う。
テレフォニカブラックに続いてグリーンドラゴンも、
冬のアジアの海を走りきれずにリタイアすることになるかもしれない。