今日は兵庫県立芸術文化センター大ホールで鮫島有美子のオペラ「夕鶴」の鑑賞に行って来ました。阪急西宮北口駅前にそれはそれは、立派な建物でビックリするほどの内外装です。莫大な費用が費やされている事に複雑な思いがよぎりました。中学と高校を西宮で育ち文教都市を謳っていただけに大入りのお客さんです。老紳士、淑女が多く、三世代で鑑賞のお客様もたくさんおられました。鮫島有美子氏の童謡を晩年母が良く聴いていたのでとても懐かしいでした。私にとって初めてのオペラだったので、歌声と児童合唱、オーケストラの生にうっとりしました。「夕鶴」は木下順二・原作、脚本の中学の教材でお馴染みです。戦争体験のある作者が、与ひょうが敗戦後の生き残った者、つうを戦争死者に見立て、愛に殉じたつうを,物質的な欲望を超えた「大義」(それがいかに虚妄に満ちたものであったにせよ)に殉じた戦争の死者たちの象徴として描かれたものではなか?という文章をみつけました。民話の「鶴の恩返し」をもとにした戯曲ですが、奥深くに隠れている作者の思いに触れて又一つ、興味深く考えさせられフムフムと感じました。cyicyikatsuko