今から30年前と半月前となる1994年12月10日、メキシコで行われた試合結果です。
WBAミドル級戦:
王者ホルヘ カストロ(亜)KO9回2分43秒 挑戦者ジョン デビット ジャクソン(米)
*WBOスーパーウェルター級の初代王者で、一時はカストロが保持しているWBAタイトル保持者でもあったジャクソン。その王座はWBAから剥奪されてしまいましたが、再び王座獲得の機会が訪れました。この試合が始まる前時点でも、無冠ながらも33戦全勝(19KO)という戦績を誇っています。
ジャクソンが挑んだカストロは、驚異的というよりお化けみたいな戦績を誇るタフガイ。1987年2月にプロデビューを果たすと、毎月のように試合を行い、この試合が行われる前の戦績が何と95勝(56KO)4敗2引き分け。プロ8年のキャリアで101回も実戦をこなしてきました。
3年前となる1991年師走に、華の都フランスのパリで当時のWBCスーパーウェルター級王者テリー ノリス(米)に挑戦するも、そのスピードのついていけず大差の判定負けを喫したカストロ。翌1992年6月には米国フロリダ州のリングでロイ ジョーンズ(米)にも一方的な判定負け。しかしそのタフネスぶりを如何なく発揮し、スーパースターに初の最終回終了のゴングを聞かせる事に成功しています。
超人カストロはこの年の8月にジャクソンが剥奪されたWBA王座を、そのジャクソンに敗れ王座から転落したレジー ジョンソン(米)と争い僅差の判定勝利。11月には初防衛にも成功しています。その初防衛戦から今回のジャクソン戦までのインターバルは僅かに1ヶ月と5日。しかもジャクソンとの防衛戦は1994年の11試合目となりました。
ジョンソンを挟んで両者を比較すると、若干ジャクソンの有利が予想された一戦。タフマンカストロは初回終了間際に、右パンチでジャクソンをぐらつかせ好スタートを切りました。しかしその後は「これでもか」といわんばかりのジャクソンのワンサイドマッチが進行していきます。タフなカストロが容易にあきらめる事はありませんが、サウスポー(左構え)のジャクソンのパンチがアルゼンチン人に面白いように当たっていきます。
(ジャクソン(背中)はカストロに次々にパンチを浴びせていきます)/ Photo: Facebook
動くサンドバックと化したカストロの顔面は腫れあがり、ストップの早いレフィリーなら試合を止めていたことでしょう。迎えた9回、カストロに絶体絶命の大ピンチが訪れます。ジャクソンの攻勢の前にロープに追い込まれたカストロ。しかしそこで起死回生の左フックで大逆転のダウンを奪ってしまいます。その後立て続けに2度のダウンを追加して試合終了。大逆転劇を演じると同時に、辛くも王座の防衛に成功しています。
(顔面が腫れあがったカストロ)/ Photo: Clarin.com
8回終了時までの採点も、大差で(3対0:80-71、80-73、79-74)ジャクソンがリード。試合後、プロモーターのドン キング氏は「まるでハリウッド映画のようだ」と雄叫びを上げていました。
(カストロの大逆転の一撃が炸裂)/ Photo: Facebook
この試合からちょうど一年後となる1995年12月15日、カストロは後楽園ホールにその雄姿を見せる事になります。
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