今から30年前と2週間前となる1994年12月10日、メキシコで行われた試合結果です。
WBCスーパーライト級戦:
王者フリオ セサール チャベス(メキシコ)TKO10回1分41秒 挑戦者トニー ロペス(米)
*大激変だった1994年の世界ボクシング。この年の師走にメキシコで5大世界戦が行われ、その締めをくくったのが当然の如く同国が誇るボクシング界の英雄チャベスでした。
(激動の1994年の締めくくったのは当然チャベス)/ Photo: JO Sports Inc
この日チャベスが迎えたのは、元IBFスーパーフェザー級、WBAライト級の古豪「タイガー(虎)」の異名を持つロペス。その全盛期はチャベスのそれと重なっています。
(2階級を制覇したロペス(左)を迎えたチャベス)/ Photo: Youtube
激戦王と知られるロペスは45勝(32KO)4敗1引き分けの戦績を引っさげて、果敢にチャベスに挑みます。しかしピークがとうに過ぎたとはいえそこはチャベス。重圧な攻撃と、確かな防御でロペスをまったく寄せ付けずに快勝。5月に返り咲いた王座の2度目の防衛に成功すると同時に、戦績を93勝(80KO)1敗1引き分けにしています。
この年の1月末に初黒星を喫したチャベス。当時は衰えが顕著だと指摘されていました。しかし結局は1994年の年間戦績は世界戦3勝(2KO)1敗。ただただ凄いの一言ですね。
(重圧な攻撃でロペスを圧倒するチャベス)/ Photo: Youtube
WBAジュニアウェルター級戦(WBCで言うスーパーライト級):
王者フランキー ランドール(米)TKO7回1分43秒 挑戦者ロドニー ムーア(米)
*チャベスから初のダウンを奪い、初黒星を擦り付けたランドール。この年にとんでもない大躍進を遂げました。9月にWBAに鞍替えをしたランドール。その初防衛戦で2度目の世界挑戦となるムーアを迎えました。ランドールは、そんな世界常連ランカーを終始翻弄し中盤でTKO勝利。WBC王者時代に成せなかった初防衛に成功しています。
この年、チャベスとランドールは共に4試合出場しており、その4試合すべてを同じ興行で行っています。まずは1月29日に顔を合わせた両雄。その時はランドールがメキシコの生きる伝説からダウンを奪うなどして僅差の判定勝利。チャベスに初黒星を与えると同時にWBC王座を獲得しました。
5月7日に再び拳を交えたチャベスとランドール。その時はやや消化不良の形となってしまいましたが、チャベスが僅差の負傷判定勝利を収め、雪辱を果たしています。
9月17日に、それぞれ違った対戦相手と3試合目を行ったチャベスとランドール。チャベスは宿敵メルドリック テーラー(米)を退け防衛に成功。ランドールは南米の雄ファン マルチン コッジ(亜)を3度倒し大差の判定勝利を収めWBA王座を獲得しました。そして師走に、それぞれの保持する王座の防衛に成功。
この興行が終わった時点(1994年12月10日)でのスーパーライト級/ジュニアウェルター級の世界王者たちの顔触れは下記のようになります。
WBA:フランキー ランドール(米/防衛回数1)
WBC:フリオ セサール チャベス(メキシコ/2)
IBF:ジェイク ロドリゲス(米/2)
WBO:ザック パディーリャ(米/4)
*ランドールとチャベスと比べると、どうしてもロドリゲスとパディーリャは数段レベルが落ちてしまいますね。
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