*米国のリング誌が不定期的に行っている「Best I faced」というコーナーがあります。これまで自分が対戦した相手で誰が一番強かったか、というインタビュー形式のものです。特に引退した選手のものになると、その選手を含めた当時の記憶と記録が蘇るため、かなり面白いです。
最近はヘビー級の選手を中心に紹介していましたが、今回は最も軽いクラスであるミニマム級と、その一つ上のライトフライ級の2階級で世界王座を獲得したロセンド アルバレス(ニカラグア)の登場となります。
(WBAのミニマム級とライトフライ級王座を獲得したアルバレス)
この5月に50歳の誕生日を迎えたアルバレス。最近は母国でプロモーター賭して活躍しています。アルバレスと言えば何といいっても、あのリカルド ロペス(メキシコ)の戦績に、唯一の白星以外の結果(負傷判定引き分け)を残した実力者。さてその実力者は、一体誰を各項目の名選手として選んだのでしょうか。
(あのリカルド ロペスと2度の激戦を演じたロペス)
ジャブの名手(Best Jab):
リカルド ロペス(メキシコ)。予想通りにロペスを選出。ロペスは継続的に的確なジャブを放ってきたそうです。
防御の技術(Best Defence):
リカルド ロペス(メキシコ)。当然と言えば当然の選出でしょうね。
頑丈なアゴ(Best Chin):
チャナ ポーパオイン(タイ)。1995年師走、アルバレスは敵地タイに乗り込んで、チャナからWBAミニマム級王座を奪っています。とにかくチャナは、打たれても打たれてもケロッとしていたそうです。ちなみにチャナは、大橋 秀行(ヨネクラ)会長を破り、このベルトを獲得しています。
パンチのスピード(Fastest Hands):
ベイビス メンドサ(コロンビア)。2000年8月と、2003年3月に対戦。初戦で反則負けを喫したアルバレスは再戦で勝利。WBAライトフライ級王座を獲得し、2階級制覇に成功しています。メンドサのパンチはスピードに加え、力強さもあったそうです。
足の速さ(Fastest Feet):
リカルド ロペス(メキシコ)。ロペスの動きはとにかく素晴らしかったようです。
賢さ(Smartest):
リカルド ロペス(メキシコ)。当たり前の選出と言えばそれまでですが。とにかくロペスは無駄な動きがなく、スマートな選手だったと絶賛しています。
強さ(Strongest):
ホルヘ アルセ(メキシコ)。ライトフライ級からスーパーバンタム級までの5階級を制覇したアルセ。アルバレスは2006年4月にWBCフライ級の暫定王座を賭け対戦し、そのキャリアで唯一のKO負けを喫しています。アルセは力強く、そして勇敢だったそうです。
パンチ力(Best Puncher):
ホルヘ アルセ(メキシコ)。パンチ力もそうですが、アルセとは体の大きさの違いが感じられたとか。
技術者(Best Skills):
ここでもロペス。
総合(Overall):
やはりロペス。パンチも技術もあり、フットワークも素晴らしかったとライバルを絶賛しています。
(ロペスからキャリア唯一のダウンを奪っているアルバレス。)
*このインタビューはつい先日、8月4日に掲載されたものです。しかし嬉しいですな、ロペス・ファンにとり、アルバレスのような実力者が彼をここまで賞賛するとは。しかしアルバレスのインタビューを読みながら思ったのですが、ロペスの圧倒的な強さは、あくまでミニマム級のみのものだったと感じました。