勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

踊り子

2011-03-30 23:56:34 | Weblog
 12年前の1999年、46歳の若さで突然この世を去ったシンガーソングライターがいる。素朴な雰囲気と柔和な笑顔が魅力の村下孝蔵さん。テレビではあまりお目にかからなかったが、彼のファンは多い。代表作の「初恋」と共に、僕の好きな歌に「踊り子」がある。 




つま先で立ったまま
二人愛してきた
狭い舞台の上で
ふらつく踊り子


 若さゆえの不安定な恋を歌ったこの歌が、女心のように気まぐれで不安定な春の空から、やっと暖かさが戻ってきた野に咲くヒメオドリコソウとダブる。


 遅い春の訪れに、一斉に踊りだしたヒメオドリコソウのつま先立ちの乱舞は、不安定な世の中を憂いているのだろうか、それとも日本ガンバレと、励ましているのだろうか?この花の名は、東北地方に伝わる鹿踊(ししおどり)の格好に似ていることから付いたという。東北の地に、愛嬌のあるこの花が咲き乱れる春が、早く来ることを願う。

矛盾

2011-03-29 22:57:45 | Weblog
 昔、楚の国に矛(ほこ)と盾(たて)を売る者がいた。「この矛はどんな盾をも貫き、この盾はどんな矛をも通さない」と言った。それを聞いた人に、「その矛でその盾を突いてみよ」と言われ、彼は困った。(中国の故事から)

 日増しに危機感が広がる福島原子力発電による放射能汚染。野菜などへの影響も大きな問題になっているが、基準値を超えたといいながら、食べても安全だという。基準値とは、それを超えると危険だということではないのか?それなのに食べても安全とはこれいかに・・・


 その昔、原子力発電の安全性が議論された。そんな時、パイプを銜えた独特な風貌の竹村健一氏が、あるテレビ番組で「大体やね、原発は安全なんです。出てくる放射線は非常に弱い。あんたの奥さんと寝るより原発と寝たほうがはるかに安全ですよ」というようなことを言っていた。当時から原発に否定的だった僕は、それを聞いて、何を根拠にそんなことを言うのか、長い間には今回のような事態が必ず起こると思っていた。だからこそ、この発言が今も記憶に残っている。彼は今のこの事態をどうコメントするのだろうか。

Spring has com

2011-03-27 20:16:29 | Weblog
 3月も終わりに近づいたというのに、居座り続ける今年の冬将軍がもたらす北風がやけに冷たい。東日本に春が訪れる日はいつになるのか?


 真冬のような冷たい風にも負けず、春の陽射しを受け、上を向いて伸びようとする土筆。あれは涙がこぼれないように上を向いているのだろうか?そこには被災者の姿が重なる。


 「向上心」「意外」「驚き」「努力」などの花言葉を持つ土筆を見ていると、どんなに冬が寒かろうと、春は必ずやってくる、くじけないで頑張ろう。声をそろえてそんな風に言っているような気がした。


ガンバレ東日本

2011-03-25 21:35:09 | Weblog


小憎くん 地震が怖かったねぇ
 


おじちゃん ボクひとりだったから 怖くておしっこちびっちゃったよ


小憎くんはおしっこちびったんじゃなくて おしっこが止まったんじゃないのかい


そうだったっけ ボク怖くておしっこが止まっちゃったんだ おしっこちびったのはおじちゃんだね


おじちゃんは おしっこちびったんじゃないよ 尿漏れしたんだよ


じゃぁ いつものことだね


おいっ!


それより 被災地のみんなのために何ができるんだろう


小憎くんはここで「ガンバレ東日本」と エールを送ればいいよ


うん おじちゃんは何をするの?


おじちゃんはささやかだけど 日本赤十字に募金をしてきたよ


他には?


節電のため厚着をして暖房は控えめ 買いだめもしない 早寝するように心がけてるよ


フ~ン 小さいことでもみんなで協力すれば 大きな力になるんだね


そう だからみんなで応援しような



ガンバレ東日本  みなさん応援しています

くじけないで

2011-03-20 02:39:06 | Weblog


◇くじけないで◇

ねぇ 不幸だなんて
溜息をつかないで

陽射しやそよ風は
えこひいきしない

夢は
平等に見られるのよ

私 辛いことが
あったけれど
生きていてよかった

あなたもくじけずに

-柴田トヨさん-

 大切な人を失い、大切なものを失い、夢も希望も奪った巨大地震に、自然の威力とその恐ろしさを思い知らされた。当たり前にそこにある水や食べ物、毎日暮らす家、温かいお風呂、そして、夢もみることができる布団。その何もかもが失わたとき、それでも生きていく辛さは、想像を絶するだろう。大きな揺れに身の置き処がなく、ただオロオロするだけだったあの瞬間、それは自分の身に降りかかったことかもしれない。

 「溜め息をつくと幸せが逃げる」と、だれかが言った。有り余るお金がなくてもいい、生きていることのありがたさを実感する今、非力な僕には、「生きていてよかった」だから「くじけないで」と、溜め息をつきながら、エールと、ささやかでも、見える思いやりを送ることだけしかできないが。。。

見える気持ちに

2011-03-18 14:06:39 | Weblog
「こころ」は
だれにも見えないけれど
「こころづかい」は見える

「思い」は
見えないけれど
「思いやり」は
だれにでも見える

その気持ちをかたちに



 巨大地震の発生から一週間が過ぎた。嘗て経験したことのない災害に右往左往するテレビの映像に、ただ茫然とするばかり。風邪による体調不良の中、テレビの前には何もできない自分がいる。ブログ更新も気が進まず、ただ空しい日々が過ぎて行く。しかし、励ましのコメントを始め、今までと変わらない多くの方からのアクセス数を目にして、自分なりの情報発信も必要と思うようになった。

 東日本大地震発生後、テレビからは民間企業の自粛により、いっさいのCMが消え、24時間続けての震災報道が流れた。震災から数日後、テレビには広告枠の空きを埋めるために、ACジャパンの広告が頻繁に流れる。営利を目的としない公共広告により、啓発活動を行っている社団法人・ACジャパンの広告に、自分も「見える気持ち」を啓発されている。

 ところが、これらACジャパンのCMに、「しつこい」「不快感がある」「内容がそぐわない」などの抗議や、「今から刃物を持って押しかけるぞ」という脅迫電話もあるというのだ。人の思いはそれぞれだが、何事も否定するのではなく、ポジティブな気持ちを持って受け入れ、その啓発に耳を傾けることも、こころづかい思いやりのような気もするのだが。。

生きてます

2011-03-14 20:08:16 | Weblog
 十日ほど前から喉の痛みに始まって、発熱、咳、くしゃみと続きダウンしてしまった。インフルエンザの予防接種をしていたこともあり、甘くみていたが、高熱により悪寒が走り、起き上がることもできない状態になってしまい、落ち着いてから病院へ行くも、インフルエンザの検査には遅すぎた。インフルエンザは、発熱して24時間以降48時間以内の検査が陽性率も高く、抗インフルエンザ薬の効果も期待できるそうだ。診察によると、インフルエンザではないだろうということで、風邪薬をもらい、PCを封印しての静養だった。

 そんな折に発生した未曾有の巨大地震。幸いわが家は大きな被害はなかったが、テレビから流れる映像は目を覆うものばかり。回復しきらない体力はPCを開くエネルギーも失い、ただただ茫然とするばかり。皆様にはご心配をおかけしたかもしれませんが、何とか生き延びています。熱が下がりきらず、皆様のところへの訪問とコメントも徐々に再開しますので、それまで暫しご容赦願います。

 

啓蟄

2011-03-06 00:03:13 | Weblog
 
啓蟄の今日、冬ごもりしていた虫が動き出す頃だそうだが、土の中から顔を出すのは虫だけではない。



春の訪れを今や遅しと待ち切れず、顔を出した草木の若い命は、生命力に溢れている。



生まれたばかりの小さい命はやがて大きくなり、葉を広げ花を咲かせて我々を楽しませてくれるだろう。



枯葉の中から顔をのぞかせた土筆も、早春の冷たい風に戸惑いを見せているようだ。


 若い命は時に曲がって育つこともある。若さゆえに過ちを犯すこともあるだろう。才能ある若者の思慮を欠いた失敗が世間を騒がせている。彼の家庭事情もあったのかもしれない。今回の過ちで、これからの長い人生を棒に振るようなことなく、それを乗り越えて大きく羽ばたいて欲しい。

 実は僕も中学生の頃、一度だけカンニングをしたことがある。そばにあった教科書をパラパラとめくってみたが、それを仲間に見られてしまった。先生にも告げられたと思うが、何のお咎めもなかった。

 いという字はしい字に似てると誰かが言っていた。19歳の若者は、土の中から顔を出した土筆のように、これからは大空に向かって真っ直ぐに伸びて欲しい。わが大辞林によると、啓蟄の“啓”は“ひらく”とも読み、再出発の意味もあるという。

 「過ちて改めざる 是を過ちという」。学力優秀だという彼が、こんな格言を知らないはずはないのだから。。。
  

弁当

2011-03-05 00:39:42 | Weblog
 昔、弁当は母親が作ってくれるものだった。今、弁当はコンビニで買うものになったようだ。今も母親や奥さんの愛情弁当で、頬を落としている幸せ者も多いこととは思うが。。。 

 普段何気なく使っている「弁当」という言葉の語源は、「好都合」「便利なこと」を意味する中国の俗語「便當」が、日本で「弁えて(そなえて)用に当てる」ことから「弁当」の字が当てられたと考えられるとか。。。まさしくコンビニ弁当は、便利と便利が重なった便利の二乗というわけである。


 食事は自分で作ることをモットーとする僕だが、ときどきコンビニ弁当のお世話になることもある。最近わが家の近くに出来たお弁当屋さん、その値段の安さに驚く。画像の左の弁当がなんと260円、別売りのカキフライが105円、合わせて365円+消費税で367円である。自分で作るよりはるかに安上がりだが、味のほうは値段を考えれば贅沢は言えない。時には労力と時間の節約に、こんな便利の二乗にお世話になることもいいか、と自分を納得させている。

忘れる

2011-03-03 21:15:04 | Weblog
 春とは名ばかりの冷たい風に、思わずコートの襟を立てる。東京では、2月25日に春一番は吹いたものの、その後も春と冬が交互にやってきて、今日も真冬のような寒い一日だった。しかし、植物は確実に春を感じ取っている。 


 閉じた両手を広げると、中から春が飛び出してくるかのように、早くもわが家のベランダの都忘れが、遠慮がちに蕾をほころばせはじめている。どんなに冬が寒くても、時が来れば春は忘れずににやってくる。都忘れがそう言っているかのようだ。

 「都忘れ」の名は、佐渡に流刑の身となった順徳天皇が、毎日、都を思って涙にくれるある日、庭の片隅に咲く一輪の花を見て、その美しさに「しばし都を忘れさせてくれる」と言ったからとか。。。

◇忘れる◇

歳をとるたびに
いろいろなものを
忘れていくような
気がする

人の名前
いくつもの文字
思い出の数々

それを 寂しいと
思わなくなったのは
どうしてだろう

忘れてゆくことの幸福
忘れてゆくことへの
あきらめ

ひぐらしの声が
聞こえる

-柴田トヨさん-

 今年の6月が来ると満100歳になる柴田トヨさんの詩ではないが、物忘れが激しい今日この頃、それを淋しいと思わず、厭なことは忘れることで幸福と思えばいい。と言うのは負け惜しみだが。。。

世界一

2011-03-01 18:55:30 | Weblog
今日から3月・春・弥生



春というにはうそ寒い3月1日午後2時前、けたたましい音を立てながら3機のヘリコプターが寒空を旋回する。


 その下には、ついに600メートルを超え、自立式電波塔として世界一となった東京スカイツリーが聳える。600メートル超えは昨日の予定だったが、悪天候のため今日になったらしい。
スカイツリーの建設地のそばでは、あまりの高さに見上げても世界一の頂点を見ることは難しく、少し離れた場所からがその高さを実感できる。


 しかし、次第に低く垂れこめた雲からは冷たい雨が落ち、その雨雲は非情にも世界一に達したゲイン塔と呼ばれるアンテナ部分を、膨らみはじめた隅田川の桜の向こうに隠してしまった。



 地上デジタル放送用のアンテナなどを取り付けるゲイン塔は徐々にリフトアップされ、3月中には完成時の634メートルに到達する予定だという。



来年春の開業に向けて、634メートルも間近に迫ったスカイツリーから、これからも目が離せなくなりそうだ。