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甍の波と 雲の波
重なる波の 中空を
橘かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり
甍の波と 雲の波
重なる波の 中空を
橘かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり
驚くなかれ、風薫る初夏の空に聳えるスカイツリーに鯉のぼりが現れた。
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開ける広き 其の口に
舟をも呑まん 様見えて
ゆたかに振るう 尾鰭(おひれ)には
物に動ぜぬ姿あり
開ける広き 其の口に
舟をも呑まん 様見えて
ゆたかに振るう 尾鰭(おひれ)には
物に動ぜぬ姿あり
童謡「鯉のぼり」の鯉は、「舟をも呑まん」と歌われるが、世界一高い電波塔・スカイツリーを泳ぐ鯉は、津波をも呑みこまんとするかのように大きな口を開けている。
しかし、そんな願いは夢のまた夢。実はこの鯉のぼりは、隅田川に架かる白髭橋の畔にある、東白髭公園の鯉のぼりである。スカイツリーを臨むこの公園には、子供たちの健やかな成長を願い、子供の日に合わせ、地元のボランティア団体が大小の鯉のぼりを大空に泳がせている。
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百瀬の滝を 登りなば
忽ち竜に なりぬべき
わが身に似よや 男子(おのこご)と
空に躍るや 鯉のぼり
百瀬の滝を 登りなば
忽ち竜に なりぬべき
わが身に似よや 男子(おのこご)と
空に躍るや 鯉のぼり
水を得て元気になるのは魚だが、同じ魚でも鯉のぼりの鯉は、青空と薫る風を得て元気になるようだ。日本が風を得た鯉のように、物に動ぜず元気になるのはいつのことだろう。