勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

別名

2015-10-18 12:25:55 | Weblog
 秋が深まるこの時期になると、必ず花屋の店頭に並ぶ花がある。色も豊富で華やかでありながら、遠慮がちに下向きに咲くシクラメンの花言葉は、「遠慮」「内気」「はにかみ」など、控えめである。


 我が家にシクラメンの原種である、小さなシクラメンの花が咲いた。シクラメンには「篝火花(かがりびばな)」と「豚の饅頭」の2つの和名があるそうだ。篝火花は見たままで納得するが、あの可憐な花が豚の饅頭ではかわいそうな気がする。

 人には戸籍上の名前があるが、通称やニックネームなど別名を持つ人も少なくない。ニックネームには本人が納得できないような悪意があったり、揶揄するような名前も多い。しかしそれらも慣れるにしたがって愛着を感じるようになることもある。あの松井秀喜さんも「ゴジラ」というニックネームに始めは抵抗があったという。しかし今では気に入っていると聞いたことがある。ニックネームをつけられるということは、良きにつけ悪しきにつけ、存在感があり、他人(ひと)から注目されていると思えばいい。

 僕も少なくとも3つの名前を使い分けている。ひとつは本名、もうひとつは仕事上の名前。仕事上の名前はサラリーマン時代にアルバイトで始めたため、別名を使ったことから今もその名前を使っている。そしてもうひとつはブログで使っているHN(ハンドルネーム)の「勿忘草」である。複数の名前を使い分けることには、時々戸惑うこともあるが、今では慣れてそれを楽しんでもいる。

 話を元に戻すが、シクラメンの和名のひとつ「豚の饅頭」は、シクラメンの球根が豚の餌になることから命名されたそうだが、この名前をシクラメンはどう思っているのだろうか。

駒形どぜう

2015-10-11 22:25:23 | Weblog
 江戸情緒を残した商家造りの江戸の風情が味わえる江戸庶民の味「駒形どぜう」の浅草本店は、我が家からもほど近い、台東区のほぼ中心地にある。


 その「駒形どぜう」に、造園業の社長の招待を受け、カラオケ仲間5人で出かけた。現在は天然のどじょうを手に入れることが難しくなり、大分産の養殖どじょうを使っているというが、全国を歩いて探した、天然ものにも劣らない優れた品質だそうだ。


 ご馳走になったのは、200余年の歴史を持つ「どぜうなべ」。どじょうの臭みもなく骨も柔らかく、ネギをのせた江戸時代から続く調理方法で、思ったより食べやすく、ちょっと尻込みをしていた千葉の友人も大喜び。どじょう鍋のあとは、お決まりのカラオケで喉を競った休日の午後だった。

約束

2015-10-09 21:49:08 | Weblog


 
小僧君 今年もまたハロウィンの季節がやってきたね


おじちゃん 去年のハロウィンの時に約束したこと覚えてる?


もちろん覚えてるさ


おじちゃん 最近物忘れが激しいから 忘れちゃったかとおもったよ


おぃ! おじちゃんは まだまだ認知症にはなってないぞ


ホントかなぁ だってボクに逢いに来るのが遅いから ボクのこと忘れちゃったのかと思ったよ


ハロウィンは 仮装した子供にお菓子をあげる習慣があるって言ってたよね


うん そうだよ おじちゃん 去年の約束覚えてくれていたんだ




だから ハロウィン用のカボチャで作ったモンブランのケーキを買ってきたよ


あらっ! おいしそうなケーキだね こんなにたくさんありがとう


おじちゃんにも ひとつ味見させてくれよね


おじちゃん 一緒に食べよう そして来年も美味しいケーキをお願いね


わかった おじちゃんが来年まで生きてたらね


おじちゃんは まだまだ長生きしそうだよ


おじちゃんは 薄命なタイプだと思うけど


薄命なタイプにしては 長生きしてるんじゃない? おじちゃんは 世に憚るタイプだと思うけど 


そんな憎まれ口言うと ケーキ持って帰るぞ


ごめんなさい おじちゃんは薄命なタイプだから ケーキ持って帰らないでね




来月まで生きてたら また来るからね


おじちゃん ボクのこと忘れないでね


認知症にならなかったらまた来るよ


おじちゃん バイバイ

同窓会

2015-10-06 20:09:49 | Weblog

おさななじみの想い出は
青いレモンの味がする
閉じるまぶたのそのうらに
おさない姿の君と僕


 去る4日の日曜日、中学校の同窓会があった。前回出席したのは5年前、それは僕にとって卒業以来初めての出席だった。その時は閉じたまぶたの裏におさない姿が現れるのに時間がかかった。特に女性は昔の面影とはだいぶ違って、親しげに話しかけられて名前を訊く機会を失い、帰っても思い出せない人もいた。

 5年前の同窓会の時、かなり年上と思しきハゲ親父が会場に入ろうとしていた。僕は彼がどこかの会場と間違えたと思った瞬間、そのハゲ親父が「おぉ、○○」と親しげに僕の名前を呼ぶ。戸惑う僕の顔を見た彼は、持っていたセカンドバックで自分の頭を隠した。その顔は近所に住んでいて仲良しだったまさに幼馴染。時の流れはほろ苦いレモンの味でもあった。


 今回の出席は、全139名のうち、男性20名女性18名の計38名。物故者も39名にのぼる。その翌日、あのほろ苦いレモンの味の幼馴染からメールが来た。名簿からと思われるケータイの番号のショートメールである。「○○です!昨日は楽しかったです!☆☆ちゃんとのダンスが良かった!また2年後の再会を期して!」すぐに返信した。「思いがけずダンスなど披露してしまいましたが、皆さんとの楽しい時間を過ごせたことに感謝です。またの機会を楽しみにしています。ありがとうございました。」

秋の味覚

2015-10-04 19:12:31 | Weblog
 時の流れと移ろう季節は、歳とともに歩みを速めて眼の前を通り過ぎて行く。記録的な猛暑日が続いたあの夏はどこかに姿を消し、気が付くと秋が大手を振って歩き始めている。過ぎゆく時を止めることもできず、ただ茫然と見送るわが身の怠慢を秋の味覚が背中を押す。


 奥さんの実家から送られてきたという知人の秋のお裾分けは、あけびと栗とさつま芋etc。甘いあけびの実は種を残してそのままいただくが、皮は捨てずに料理する。


 鶏のひき肉に味噌と舞茸と少々の砂糖と酒で練り混ぜたものを皮に包み込む。余った練り物は一緒に頂いた新鮮なピーマンにも入れてみた。 


 多めの油を入れたフライパンで両面を焼き、中身にも火が通ったら一口大に切って大葉で彩を添えてポン酢でいただいたが、あけびの苦みもなく、秋の味覚を堪能した初秋の夜だった。