勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

昇龍

2011-12-30 18:55:10 | Weblog
 時間が和らげてくれる悲しみがある。どんなに時間が経っても消えない悲しみもある。時と共に忘れる悲しみがある。永遠に忘れてはいけない悲しみもある。大きな悲しみに襲われた2011年が過ぎ去ろうとしている。来る2012年は辰年、つまり龍の年である。龍は十二支の中で唯一架空の生き物である。  


 世界一幸せな国といわれるブータンは「龍の国」を意味し、国旗には龍が描かれている。先日来日したブータンのワンチュク国王は被災地を訪れて、子供たちに言った。

龍は人の経験を食べて生きています
一人ひとりの心の中には龍がいます
その龍は経験をすることで
強く大きくなります
いつもその龍を
見ていてください


 人間に危害を与えることはないといわれる「龍」には、81枚の鱗があり、喉元の一枚だけは逆さに生えている。その逆鱗(げきりん)に触れると激高し、大暴れをするといわれる。2011年3月11日、静かに来年の出番を待っていた龍の逆鱗に触れたのは誰なのか。それは、自然を甘く見た人間への復習か、それとも、原発などという人の手に負えない施設を、安全という嘘の壁で固めた人間への挑戦か。。。

 忘れてはいけない悲しみの年、2011年が間もなく終わろうとしている。多くの人の生命を奪った大地震は、残された人々に「絆」という言葉を残して大津波と共に去った。大空に向かって牙を剝き、スカイツリーを飲み込もうとする龍よ、来年は穏やかであれ、そして昇龍の如く良い年であれ、と願って、お世話になった方々への感謝で締めくくろう。今年も我が愚ブログへ訪問してくださった皆様、ありがとうございました。来る年が皆様にとって良い年でありますことをお祈りすると共に、来年もよろしくお願いいたします。

愛情宅配便

2011-12-29 00:01:05 | Weblog
 毎年この時期になると、愛情の詰まった宅配便が届く。本命のお餅をはじめとする、こまごまとした食料品が詰まったダンボール箱は、玉手箱のようでもある。

 父も母も他界して、跡を継いだ兄ももういない実家の義姉からの愛情宅配便である。兄を含めて7人もいる兄弟は皆還暦を過ぎているというのに、今も届く年の瀬の寒い朝の温かい玉手箱。遠慮したこともあったが、それでも毎年の義姉の気遣いに甘えている。


♪  

北風吹きぬく 
寒い朝も
心ひとつで
暖かくなる



北風の中に
聞こうよ春を
   

 北風の吹く寒い朝に届いた宅配便に、我が家にも暖かい新春の訪れが聞こえてくるようだ。

♪♪♪

北風吹きぬく 
寒い朝も
野越え山越え
来る来る春は

いじけていないで
手に手をとって
望みに胸を元気に張って

北風の中に
呼ぼうよ春を

北風の中に
呼ぼうよ春を
 

来年は東北にも暖かい春が来るといいのだが。。。

甘い生活

2011-12-28 00:27:05 | Weblog
 健康診断に行った。身長測定では、毎年0.5㎝づつ低くなる。この分だと、長生きしたら消えてなくなるかもしれない。そこまで世にはばかる(はびこる)ほどの憎まれじじいではないだろうと、勝手に思っているが??? しかし、血液検査の結果は、糖尿病の疑いあり。ヘモグロビンの値が6,0で、5,5以下の基準値を上回っているという。甘いものを控えるように指導を受けた。甘党の僕なのに。。。

 今日の東京は5メートルの風が吹いたそうだが、師走の風はいつもより冷たく感じる。一般的に体感温度は風速1mに付き1℃冷たく感じるそうだ。今日の気温は8℃、したがって体感温度は3℃になるわけだ。そんな寒い日は甘酒で温まろうと思ったが、甘いものは控えるように言われたばかりである。


 買い置きした善光寺七名物のひとつといわれている門前甘酒は、米糀で作られているため、砂糖を使わない自然の甘みであり、アルコールも入っていない。


 甘いものを控えるのは来年からにしよう、というわけで、おろしショウガと、香り付けのための一滴のワインで飲む甘酒で温まった、自分にも甘い師走の夜であった。


年忘れ

2011-12-26 18:38:53 | Weblog
 かつてない大震災と原発事故により、忘れられない年となった2011年も、余すところ一週間を切ってしまった。この時期、あちらこちらで開かれているであろう忘年会だが、昨日のことすら忘れてしまう僕にとっては毎日が忘年会である。改めて年忘れの会など必要ないと思ったが、縁あってお付き合いをさせていただいている、仕事仲間を含めた4人での忘年会を昨夜開いた。偶々1か月ほど前に同じメンバーで、10年、いやそれ以上ぶりのカラオケ店での楽しい時間に味を占め、今回の忘年会の約束をしていたのである。


 仕事柄カラオケなる言葉が氾濫する前から、夜の街を遊び歩いたその昔、スナックやナイトクラブの弾き語りのギターやピアノで、他人(ひと)の迷惑も顧みず下手な唄を歌ったこともある。お店を出ると朝日が昇っていたことも度々、若気の至りの日々は忘れようとしても忘れない。昨日のことはすぐ忘れるのに。。。

 そして昨夜も出なくなった声を駆使してのカラオケ忘年会で、あの大きな災害を除いては今年の嫌なことはすべて忘れてしまった。いや、必要なことまで忘れてしまったが、それは忘年会のせいではなさそうだ。できることなら自分の歳も忘れてしまいたいほどであるが。。。

Error

2011-12-24 23:35:54 | Weblog
 長い人生、数え切れないほどのerrorをしてきた。僕にとってのそれはいつも間が悪く、未だに付きまとう間の悪さ。今となってはそれが我が運命(さだめ)と諦めてはいるが。。。

 数日前、愛用の一眼レフカメラが「err」(エラー)の表示と共に突然機能しなくなった。今までも時々「err」の表示が出ることはあったが、設定を変えたりレンズを付け直すことで解決できていた。しかし、今回はどんな手段も解決策にはならず、仕方なくサポートセンターに電話する。修理が必要との結論になり、新宿のNikonサービスセンターに持って行くと、年末なので修理は年明け11日以降になるという。

 クリスマスから年末、そして正月へと、カメラが活躍するこの時期に故障するとはなんと間が悪いのか。まるで僕の生き様のようである。ケータイにもカメラ機能はあるものの、ちょっと物足りない。一眼レフを持つ前はコンパクトデジカメを持っていたのだが、人にあげてしまった。そこで再度コンデジを買うことにした。以前持っていたのはオリンパス社のものだったが、今回の損失隠し事件でオリンパス社の製品はオリンパス、いや違った、パスすることにした。


 結果、購入したのは一眼レフと同じNikon社のCOOLIPIX P7100という機種。カメラのことはよくわからない僕、早速説明書を開くが、あの分厚い説明書にうんざりの付け焼刃、まだ使いこなせていない。昨日のライトアップされたスカイツリーはこのカメラで撮ったものである。これからカメラの活躍する時期ではあるが、一眼レフも含め今のデジカメは、僕のように技術などなくてもカメラが勝手に写してくれる。しばらくはこのコンデジに頼ることになりそうだ。

ホワイトクリスマス

2011-12-23 23:30:03 | Weblog
 クリスマス寒波の襲来で、北海道や東北から西日本にかけての日本海側は荒天により大雪が降っていると、ニュースが伝える。クリスマスイブは、まさにホワイトクリスマスになるのだろうか。東京も寒い日が続いているが、師走の夜空に突然世界一の白いクリスマスツリーが現れた。ツリーといってもそれは東京スカイツリーであるが。。。


 来年5月開業予定の「東京スカイツリー」が、23日の日没後の5時半、白い光でライトアップされ、東京下町は一足早いホワイトクリスマスになった。


 開業後は、粋と雅を表す水色と江戸紫の2色による日替わりライトアップが見られる。しかし今回のライトアップは、制御装置が未完成のため白色光のみの点灯だそうだ。


 このライトアップは、24日も午後5時半頃から10時まで、31日にも午後9時頃から、翌日1月1日の午前1時まで点灯される予定だとか。


 寒風の吹く晴れ上がった漆黒の夜空に白く浮かび上がり、隅田の川面にその影を落すスカイツリーは、どこから眺めても一幅の絵のように美しく、威容を誇る。


 我が家では七色の光のページェントが繰り広げられると、ささやかな自慢話をしたばかりだが、白一色と七色の違いはあれ、世界一のクリスマスツリーとは比較にならない、スケールの違いを思い知らされた、下町の光のページェントであった

光のページェント

2011-12-21 22:04:02 | Weblog
 今年も残り少なくなったが、クリスマスも間近になると、各地のイルミネーションが話題になる。節電の冬ではあるが、LEDの普及でイルミネーションによる電力不足の心配はなさそうだ。


 我が家の出窓には、吊るしたクリスタルのボールがある。夏の間は陽が高く日陰になっていたが、冬になって低くなった太陽の光を受け、七色に輝きはじめた。窓の向こうに見えるスカイツリーと、七色の光との競演は、我が家の光のページェントである。 


 何面にもカットされたクリスタルのボールを通った光は、太陽の動きと共に部屋中の壁や天井をゆっくりと移動する。それは、ささやかな我が家の節電イルミネーションでもある。



画像ではわかりにくいと思うが、実際はもっともっと明るく、虹色の楕円が部屋を飾ってくれるのだ。


 しかし、夜になるとその光のページェントは終わってしまい、僕の頭の光だけになってしまうのが残念ではあるが。。。節電への協力と思ってそれもよしとするか。

リンゴの気持ち

2011-12-20 00:04:07 | Weblog
 毎年この時期になると送られてくる箱入りリンゴは、我が家の冬のデザートとして活躍してくれる。しかしひとりで一箱を食べるには多く、その都度皮をむいて食べるのも面倒くさい。そして最後の頃にはしわしわリンゴになってしまうのである。毎年その頃になってから慌てて作るリンゴのワイン煮だが、今年はしわしわにならないうちにと、早めに作ってみた。


 リンゴを使ったスイーツは数あるが、自分で作るにはどれも手間ひまがかかる。そこで簡単な男の料理のワイン煮となるわけだが、皮をむいて8等分したリンゴを白ワインとグラニュー糖で煮るだけ。冷蔵庫で冷やしておくと日持ちもする。むいた皮も一緒に煮ることで、リンゴが頬染めたようにほんのり赤みがさす。


 冷えたリンゴに唇寄せると、リンゴはなんにも言わないけれど、リンゴの気持ちがわかるようなわからないような。。。かわいい箱入りリンゴは、我が家の冬の定番スイーツとなるわけである。

午前の紅茶

2011-12-19 01:04:35 | Weblog
 独り暮らしの狭い我が家にも、時には豪華なご馳走が運ばれてくる。夏には隅田川を渡る涼風が部屋を吹き抜け、冷房などいらない。冬には窓から射しこむ朝陽が部屋の隅々まで届いて温室のよう。自然の光と風は、我が家にとっては数少ない豪華なご馳走である。

◇風と陽射しと私◇

風が
硝子戸を叩くので
中に入れてあげた
そしたら
陽射しまで入って来て
三人で おしゃべりをした

おばあちゃん
独りで寂しくないかい?
風と陽射しが聞くから
人間 所詮は独りよ
私は答えた

がんばらずに
気楽にいくのがいいね

みんなで笑いあった
昼下がり

-柴田トヨさん-


 遅い目覚めに眠い目を擦りながらカーテンを開け、食事のテーブルを窓辺に移動する。そこで飲む朝一番の紅茶は目覚めの儀式。窓辺で午前の紅茶を飲みながら、スカイツリーと陽射しと三人でのおしゃべりは汗ばむほどの暖かさである。 


 以前、徹子の部屋で、平熱が低いという岸恵子さんが言っていた。『紅茶にショウガの絞り汁を入れて飲むことで、平熱を上げることが出来た』と。平熱が低いと免疫機能が低下し、風邪などを引きやすいそうだ。

 古くからショウガには様々な効能があるといわれるが、血流をよくして体温の低下を抑えたり、鎮痛作用や抗炎症作用、また便秘解消や、肌荒れの軽減による美容効果もあるらしい。ある実験結果によると、ショウガを日常的に摂ることにより、原発などの放射線による健康障害を予防する効果もあり、いいことずくめである。

 風邪を引きやすい僕も、紅茶にはおろしショウガを入れて飲むのだが、その都度ショウガをすりおろすのが面倒である。そこで市販のショウガシロップなど数種類を試してみたが、どれもイマイチ、紅茶の美味さが引き立たない。ものは試しと、いちばん安いチューブ入りのおろし生ショウガを入れてみた。驚くことに、他の高価なショウガシロップに比べはるかに美味いことを知った。すりおろしたばかりのショウガ汁には敵わないが。。。


 ある朝、寝ぼけ眼で紅茶に入れたのは、チューブ入りの練りからしだった。幸い飲む前に気が付いたが、こんな目覚めの儀式は御免蒙りたいものだ。

羽子板市

2011-12-17 22:27:22 | Weblog
 厳しい冷え込みとなった東京・下町・浅草では、一年の最後を締めくくる年の瀬の風物詩、歳の市ともいわれる縁日「羽子板市」が開かれている。


 17日~19日までの3日間行われる「羽子板市」だが、浅草寺境内の五重塔前に並んだ露店には、土曜日とあって多くの人が繰り出していた。


 羽子板市の露天商は年々減る一方だと聞くが、店先での掛け合いや、購入時の手締めなど、下町の活気と江戸の粋を味わって欲しいものだ。




 今年の世相を反映する「変わり羽子板」には、東北を応援する戦国武将・伊達政宗と共に、日本中を沸かせたサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の沢穂希選手や、大相撲で待望の大関に昇進した琴奨菊関が登場した。


 そっくりな似顔絵の羽子板を持って嬉しそうな親子連れは、幸せそうな笑顔で快くカメラに収まってくださり、ご自身のカメラへの記念撮影をも頼まれたのだった。


 大震災に始まって、収束宣言は出されたものの原発事故の収拾もままならない中、大混乱の一年も終わろうとしているが、こんな幸せそうな家族の笑顔を見ていると、今年一番の冷え込みにも、ほんわかとした温かさが伝わってくるような冬の一日だった。

スイーツ

2011-12-14 21:13:59 | Weblog
 酒飲みのことを左党とか左利きという。何故酒飲みは左利きなのか?諸説あるがそのひとつ、大工は右手に槌、左手にノミを持つことから、右手を槌手、左手をノミ手といった。そこから飲み手を左利きとか左党というようになったとか。左党に対して、甘いものが好きな人を右利き或いは右党ともいう。右党なのに砂糖(左党)が好きなのもおかし(お菓子)な話だが。。。

 あの名工・左甚五郎は左利きである。従って彼のノミ手は右手であるから、左甚五郎が酒を飲むと、左利きであるのに右利きの左甚五郎というのだろうか。あぁややこしい。

 甘党の僕は、付き合い程度の酒は飲むが、自分から進んで酒を飲むことはない。和洋を問わず甘いものが好きだが、先日テレビでスイーツのアウトレットのお店が近くにあることを知った。


 上野不忍にある工場直営のドンレミーアウトレットの、ワケありスイーツは、味や品質には問題はないものの、生産過程で形が崩れたり、ケースにクリームなどが付着したものを格安で販売している。見た目には全くわからない程度だが。。。


 そして手当たり次第に買ったこのスイーツ、全部で1,090円也。一人暮らしの僕、これをすべてひとりで食べるつもりだが、さて今夜はどれにしようか迷っている。これを全部食べ終わる頃には、間違いなくメタボ予備軍の、アウトレットなワケありジジイになっていることだろう。( ´△`)ア-ァ

2011-12-12 22:28:16 | Weblog

◇つる草の指◇
(カラスノエンドウ) 

何を掴もうと
しているのか
くるりと巻いた
つる草の指
こぶしを握って遊んだ
子供の頃
それが見えたような
気がするんだけれど
今は何も見えない

-星野富弘さん-

 あの3月11日、大津波から逃げる途中、掴んだ手を離したために津波に飲み込まれた人がいる。津波に飲まれ一度は沖に流されたものの、再び寄せた波に揉まれながら掴んだエアコンの室外機の枠にしがみついて助かった人がいる。何かを掴もうともがきながら大海に消えた命がある。そこには被災した人の数だけのドラマがある。震災からの復興は遅々として進まず、未だに先が見えない。そんな悲しみに暮れた今年も、間もなく終わろうとしている。

 その年の世相を表す恒例の今年の漢字には、小僧くんと先日予想したとおり『絆』が選ばれた。震災によって絆の大切さを知った1年でもあった。秋に芽生えて冬を越し、春になると突然伸び出すカラスノエンドウは、空に向かって巻きひげを伸ばす。そんなカラスノエンドウの花言葉は『絆』『永遠の悲しみ』『喜びの訪れ』だそうだ。

 すべてを失い、永遠に消えない悲しみを抱えながら生きなければならない人がいる。そんな人にも、強い絆に結ばれていつの日か喜びの訪れる日が来ることを願い、僅かだが芽生え始めた復興の芽が、寒い冬を越して、春には空に向かってカラスノエンドウのように、希望の芽を伸ばすことを祈ろう。被災地に花を咲かせるカラスノエンドウの巻きひげのように。。。

 余談だが、『絆・きずな』は仮名で3文字、漢字の字画が11画、はからずも3、11となる、と数日前の天声人語が言っていた。

天体ショー

2011-12-11 01:51:10 | Weblog
 澄みわたる冬の夜空に輝く月は美しい。それが満月となればなお更のこと。月の公転周期は約27.3日、月の満ち欠けの周期は約29.53日だそうだ。つまり満月から満月まで約1ヶ月を要するわけだ。冷え込んだ冬の満月の夜、その1ヶ月分の月の満ち欠けを一夜で、それも3時間半の間に見ることが出来た。

 皆既月食の今宵は満月。午後9時45分ごろから始まった月食は徐々に欠けてゆき、11時には僕の目のように細い月になった。




 更に欠け続けた月は皆既月食のピーク時の午後11時30分、闇夜の空におぼろげな光を放つ。そして再び明るさを増しながら反対側の弧が徐々に大きくなる。





 日付が変わった11日午前1時20分には再びもとの満月になり、真夜中の天体ショーは終わりを告げた。「凍れる月影空に映えて。。。♪」と、どこからか聞こえてくるような、満月の夜だった。

いちょう並木

2011-12-07 23:59:12 | Weblog
 浅草と渋谷を結ぶ地下鉄銀座線は、日本で最初に開通した地下鉄である。その銀座線の「外苑前」駅に程近い神宮外苑のいちょう並木は、四季折々の美しさが楽しめる。
 

 若葉や青葉、冬の裸木もいいが、いちょうといえばなんといっても黄葉の時期が一番だろう。11月半ばから始まった「神宮外苑いちょう祭り」が12月11日(日)まで行われている。


 いちょうは都の木に指定され、葉はシンボルマークになっている。その形は東京都の頭文字「T」を表し、3つの同じ円弧で構成されているのだそうだ。


 青山通りから見るいちょう並木は、中央に絵画館を配し、遠近法による植栽で造成されているが、今年は年初めに剪定を行なったためか、葉の量が少ないようだ。

それでも、初冬の穏やかな陽射しの中、黄金色のいちょうのトンネルは心までリッチにしてくれる。

 しかし、例年はいちょうの絨毯が敷き詰められ、サクサクと心地よい足音がするはずの遊歩道も、今年は剪定のためか少しだけ寂しいが。

それでもこの時期としては暖かな昼下がり、安らぎのひと時でもあるようだ。





横道にそれて見つけた枯葉の絨毯に映した我が影に、木漏れ日が囁いた。


「来年もまた会おう」 と・・・♪



利権と癒着

2011-12-05 22:09:31 | Weblog
 下のYouTubeの動画は、カタログハウス社の雑誌「通販生活」秋冬号のCMである。あなたはこのシンプルなCMをどのように思うだろうか?


 「通販生活」のCMは、テレビ朝日のみの放映であることを始めて知ったのだが、テレビ朝日はこの秋冬号に関してのCM放送を断ったそうだ。理由は、「日本民間放送連盟」の放送基準に抵触する恐れがある、と説明しているとか。

 あの原発事故以来、原子力発電の是非が問われているが、原発廃止の声は次第にトーンダウンしている。特に政治家の脱原発の声はめっきりと聞こえなくなった。人は利権が絡むと己を捨てるものらしい。

 電力会社などの労組連合体(電力総連)や、東京電力労組の政治団体、また原発を持つ全国の電力会社の役員などが、民主党の議員や自民党の政治資金団体などに献金や寄付をしていることが判明し、電力会社労使が一体となり、政界に影響力を強めているという記事が踊る。また、選挙時の票集めにも影響する電力会社の思惑も、その時々の政権与党に垣間見える。あの九州電力のやらせメール問題も利権が絡んでいたと聞く。

 未だに原発事故の後遺症は後を絶たず、お米をはじめとする農作物や、環境への放射能汚染はますます広がり、終息のめどは立っていない。いや、終息は望めないかもしれない。今、これほどに安全性の脆弱さが明らかになった原発である。人の命があってこそ電力の供給も経済も成り立つものであることを忘れてはいないだろうか。「原発、いつ、やめるのか。それとも、いつ、再開するのか。それを決めるのは、電力会社でも、役所でも、政治家でもなくて、私たち 国民一人一人」。利権で動く役所や政治家、ましてや電力会社に原発の是非を委ねることなど狂気の沙汰である。国民一人ひとりが考える問題だ。原発がなくならない限り、今回のような悲劇はいつか必ず起こるのだから。国民投票制度は憲法改正に関する手続を必要とすることが前提ではあるが。

 話を元に戻そう。前述のカタログハウスのCMにわが意を得たり、と思った僕、このCMを断る理由の建前の影に、何らかの力や思惑が蠢いているとしか思えないのだが。。。