ゆうしゃケン  小心翼翼・平々凡々

団塊世代の技術系サラリーマンだった。引退した今は妻と二人で平和な生活を願いつつ、趣味と独り言でストレス発散

湯布院から阿蘇へ、オオルリシジミを求めて

2018-06-06 09:56:02 | 紀行
 蝶の収集を再開してからもう10年、それなりにコレクションも増え標本箱も20箱に迫ってきた。けれどもやはり環境の変化は大きく蝶の種類は以前の6割というところ。蝶の生息場所が極端に少なくなっている。クヌギ林が田畑に変わり、人家が山の奥まで進出しているのだ。素人昆虫採集マニアにとっては危機的な状況だと思う。

オオルリシジミ


 さて、私のアウトドアの友人、ハマサンからオオルリシジミの観察に行かないかと誘いがあったのが2年前。日本では長野と阿蘇にしか生息していない絶滅危惧種で、採集は固く禁止されている。クララの花が咲く5月に阿蘇の草原で飛び交うのだが、それを観に行こうというのだ。ところがその直前になって例の熊本大地震、阿蘇は大打撃を受けて道路は寸断、山も草原も広域で土砂崩れがおきて、採集行なんてとてもできる状態じゃなかったのでのびのびとなっていた。

 それから2年、復興もかなり進み、阿蘇の噴火も活動が静まって草千里まで通行が許可された。それと同時にハマサンの会社の湯布院の保養所の建て替えが完了し、再オープンするということで、温泉で泊まった翌日に阿蘇までドライブしてオオルリシジミを観ようということになった。

TOTO保養所からの湯布院眺望。




保養所の玄関口で


 5月の末、ハマサンの車で小倉を出発、昨年凄まじい水害を受けた朝倉市杷木地区を抜けて九重から湯布院に入った。杷木地区は復興も途中であり、ここかしこに壊れ落ちた家屋や棚田が有って、今年の梅雨はまたも大被害に見舞われるのではないかと思えた。途中、飯田高原に立ち寄ったが、天気が荒れて風が強かったので採集を諦めて湯布院に向かった。TOTOの湯布院の保養所は、別荘地区画の最奥にあった。まだオープン5日目と言うことで、利用者も抽選という大人気だったのだが、見事にハマサンが当たったのだった。

阿蘇はミヤマキリシマが盛りでした。中岳の噴煙が奥に。


阿蘇の五岳の一つ、烏帽子岳。山肌がむき出しになっていた



 その夜は温泉に浸かり、美味しい夕食を堪能して旅情を楽しんだ。翌日は天気も回復し、朝から日射しが見られた。山なみハイウエーを西に向かって再開された阿蘇登山道路を登って草千里へ。噴煙を上げている阿蘇の中岳を間近に見られるところがその場所だとハマサンが言う。オオルリシジミが乱舞していたというのだ。ところが、その場所は無残にも草地が削り取られルように崩壊し、食草のクララが見当たらない。全滅しているようだ。場所を変えてあちこち探してみたがオオルリシジミを確認できなかった。水害で生態系が変わってしまったのだ。

 オオルリシジミは時期的には5月の初旬から中旬なので、遅かったのかも知れない。来年はもうちょっと早い時期に来ようという話になって阿蘇を後にした。それにしても阿蘇の被害はものすごくひどくて、山肌がむき出しになっていた。完全復興まではまだまだ長い年月が必要だろう。


 阿蘇から戻った翌々日、枇杷の収穫を。今年は一枝二個という基準で実を間引きした。収穫後直ちに毎年楽しみにしている知人友人に送った。笑顔が届けられただろうか。





コメント (3)
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