前回から、古伊万里の勉強のためにこれまでに集めたヨーロッパの「古伊万里写」や中国の「古伊万里写」の紹介を始めたところです。
ただ、質量ともに貧弱で、それを紹介することはお恥ずかしい限りではありますが、古伊万里に関心のある方には少しは役立つこともあるのかなと考え、恥を忍んで紹介を始めたところです。ご覧いただければ望外の幸せに存じます(~_~;)
今回は、その内の「ヨーロッパ製 古伊万里写 花文 大皿」の紹介です。
これは、先日(2021年2月7日)、「女性文デミタスカップセット」を紹介する際にも触れましたが、昭和63年にルーブル美術館近くの古美術店から買ってきたものです。
その「女性文デミタスカップセット」を紹介する際に触れた文章というものは、再度掲載しますと、次のようなものでした。
「ところで、私は、このデミタスカップ(注:「女性文デミタスカップセット」のこと)を買うに至った時から約半年前、10日間ほどヨーロッパに行っていて、その際、パリのルーブル美術館の近くの古美術店から1枚の古伊万里の皿(口径23.4cm)を買ってきた経験があるんです。
ヨーロッパに旅立つ前から、この際、是非、1点は古伊万里を、自らの手で里帰りさせたいなと思っていましたので、その思いが叶い、当座は大変に満足し、帰国後、毎日のように眺めていました。
ところが、だんだんと、「どうも、これは、古伊万里ではないんじゃないかな~。ヨーロッパでの古伊万里写しなんじゃないかな~。或いは、中国の古伊万里写しなんじゃないかな~」と思うようになってきたわけです。
ルーブル美術館の近くの立派な古美術店で「古伊万里」として売られていましたから、何も知らないでいた私は、すっかり信用していたんですね。 」
ということで、私が、昭和63年にルーブル美術館近くの古美術店から買ってきた「ヨーロッパ製 古伊万里写 花文 大皿」というものは、次のようなものです。

表面 (口径:23.4cm)

裏面 (底径:13.4cm)
また、この「ヨーロッパ製 古伊万里写 花文 大皿」につきましては、かつての拙ホームページの「古伊万里への誘い」の中の「古伊万里日々雑感」(平成26年3月11日の記事)の中でも既に紹介したことがありますが、それは次のようなものです。
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*古伊万里日々雑感 「フランス旅行」(抜粋) (平成26年3月11日(火))
3月1日~8日までの8日間、妻と二人でフランスに行ってきました。
といっても大袈裟なものではなく、極々普通の、旅行会社の企画によるツアーに参加しての旅行でした(~_~;)
私は、25年前に(注:平成26年3月時点でのことです)、1度、ヨーロッパに行ったことはあるんですが、パリには長く滞在しませんでしたから、今回は是非、少しゆっくりとパリを楽しみたいと思い、パリを楽しめるコースのツアーに参加したわけです。
コースは、
成田空港 → パリ(シャルル・ド・ゴール空港)(パリ泊) → シャルトル大聖堂 → ロワールの古城巡り(シャンボール城、シュノンソー城)(ツゥール泊) → モン・サンミッシェル(モン・サンミッシェル泊)) → オンフルール → ルーアン → パリ(パリ泊) → ヴェルサイユ宮殿 → ルーブル美術館 → セーヌ川クルーズ → (パリ泊) → パリ市内自由行動 → (パリ泊) → シャルル・ド・ゴール空港 →(機中泊) → 成田空港
というものでした。
ところで、このコース、極めてポピュラーなコースなんですが、若い方にはとっても人気があるようで、ほとんどの参加者が新婚さんでした(~_~;)
新婚さん以外は、卒業記念旅行として参加した若い女学生といった感じで、老夫婦二人連れというのは我々のみでした(~_~;)
当然、最高齢者でした!
なお、今回は、最後の「パリ市内自由行動」の際も、古伊万里を探索することは止め、もっぱら観光に徹することにしました。
と言うのも、25年前にパリに行った際、忙しい合間を縫ってルーブル美術館近くの立派な古美術店で「古伊万里」を買ったんですが、それが古伊万里ではなかったという苦い経験があるからです(><)
当時、古伊万里は、日本よりはヨーロッパの方が安いということだったものですから、勇躍して買いに行ったんです。
しかし、もう、その時点では安くなかったんですね。
現実には、古伊万里の良いものは、既に日本に逆輸入されてしまっていて、安くて良い物は、あまり残っていなかったんです。
田舎でコレクションをしていますので、その辺の事情をよく知らなかったわけですね。
結局、挙句の果てに、古伊万里ではなく、ヨーロッパ製の古伊万里写を買ってしまったんです(><)
当時の私としても、一応、古伊万里には、中国製の古伊万里写とヨーロッパ製の古伊万里写があるということは、書物等からは知ってはいたんですが、現物を見ていませんので、真贋の判定が出来なかったんですね。
まだまだ、勉強不足だったわけです。
お店も、ルーブル美術館近くの立派な古美術店ですし、そこで、ちゃんと「古伊万里」と表示してありましたので、それを信用して買ってしまったわけです。
多分、当時としては、古伊万里の研究がそれほど進んでいませんでしたから、お店としても本物の「古伊万里」と思っていたのかもしれませんね(~_~;)
そこで買ってきたのが次の写真の物です。
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表 (口径:23.4cm) |
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裏 (高台径:13.4cm) |
おそらく、18世紀頃にヨーロッパで作られた古伊万里写ではないでしょうか。その時、1,900ルーブル(42,000円)でした。
買った時は、「ヤッター! やはり日本よりは安い! わざわざ忙しい合間を縫って買いに来てよかった~」と舞い上がりましたが、その後ガッカリしたことは言うまでもありません(><)
でも、今になってみますと、日本の方が古伊万里は安くなりましたから、18世紀のヨーロッパ製の古伊万里写というもののほうが、むしろ、高いかもしれませんね(~_~;)
そんなことで、現時点では、パリで古伊万里を買うメリットはないと思い、観光に徹することにしたんです。
<以下省略>
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以上が、この「ヨーロッパ製 古伊万里写 花文 大皿」の入手にまつわる私のエピソードです。
なお、上記しました、かつての拙ホームページの「古伊万里への誘い」の「古伊万里日々雑感」(平成26年3月11日の記事)で、この大皿を紹介しました際、或る方から、「これは、ヨーロッパ写しではなく、中国の清朝期の写しではないでしょうか」とのコメントが寄せられました。
これを、ヨーロッパ写しとみるのか、中国写しとみるのかは、なかなか難しいものがありますが、私としては、やはり、ヨーロッパ写しなのではないかな~と思っているところです。
生 産 地 : ヨーロッパ
製作年代: 18世紀
サ イ ズ : 口径;23.4cm 高さ;2.7cm 底径;13.4cm