先日の信濃毎日新聞に「民意の把握難しさ」という特集記事が掲載されていました。いま長野市と佐久市では市民会館の建設が検討されています。その建設の賛否を長野市では市民からのパブリックコメントや有識者の意見をもとに判断、佐久市では住民投票で判断しようとしています。多様化する市民の意見をどのように把握し決断したらいいのでしょうか。考えたいと思います。
長野市では市民会館の建設については昨年の市長選挙の争点にもなりました。鷲沢現市長が建替えを、2人の対立候補は白紙に戻すことを主張。その後、鷲沢市長も白紙に戻し議論して決める姿勢を打ち出しました。そして鷲沢市長は8日、市民の意見やアンケート、有識者会議での提言なども踏まえて検討。あらためて建て替えを決断しました。しかし反対する住民には不満も残り今後の課題となっています。
これに対し佐久市でも昨年の市長選挙の中で総合文化会館の建設が争点になり、柳田市長は8日、住民投票で建設の諾否を決定することを決断しました。しかし市議会では「本来市長と議会が責任を持って判断すべき。住民投票に委ねるのは市長の責任回避だ」との意見も出たそうです。
市民会館建設についてはいま上田市でも問題になっています。かつて須坂市では総合体育館建設、松本市では総合芸術館建設をめぐり住民投票を求める市民運動が起きた経緯があります。こうした大型施設建設については、昨今の社会情勢、多額の経費がかかり借り入れが膨らむこと、ハコモノに対する批判など否定的な市民感情があります。
一方今後のまちの将来を考え長期的な視点に立った時、市民が集える拠点施設として市民会館が必要だという考えも理解できるものです。今後地方財政が一層厳しくなることを考えれば、市民会館の建設は合併特例債が使える今しかないということもまた事実です。
問題なのはそうした事実を踏まえ、市民一人ひとりがどのように考え、どのようなまちの将来像を選び取るかということです。多額の費用がかかり市民の負担も決して小さいものではありません。より慎重な対応が必要なことはいうまでもありません。そのためには情報をオープンにすること、市民の中に市民会館建設をめぐって議論を巻き起こすこと、そして一人ひとりが考え決めることが必要です。そしてこうしたことを通じて市民の方々に市財政についてあらためてご認識いただくことです。
私はこの問題に対し「市長と議会が責任を持って決めればいい」という議論に組することはできません。選挙で選ばれたからといって、市民は議員に対して全権委任しているわけではありません。これだけ市民の意見が多様化している中で、すべて議会制民主主義だけでやっていこうと思っても無理があります。必要なところでは直接民主主義で補完することもまた必要ではないでしょうか。
また「住民投票は市長の責任回避」という指摘も的外れな意見です。市長の責任とは何か。それは市民益を考えるとともに、市民のニーズがどこにあるか的確に把握し政策決定を行うことです。市長と議会が決めることが責任ある立場で、住民投票は無責任だというのはいかがなものでしょう。
私はこうしたことから柳田市長の住民投票という意見を支持するものです。柳田さんは県会議員の当時から住民投票にかかわってこられました。新しい住民合意の一つの手段として、住民投票という選択肢に注目したいと思います。
長野市では市民会館の建設については昨年の市長選挙の争点にもなりました。鷲沢現市長が建替えを、2人の対立候補は白紙に戻すことを主張。その後、鷲沢市長も白紙に戻し議論して決める姿勢を打ち出しました。そして鷲沢市長は8日、市民の意見やアンケート、有識者会議での提言なども踏まえて検討。あらためて建て替えを決断しました。しかし反対する住民には不満も残り今後の課題となっています。
これに対し佐久市でも昨年の市長選挙の中で総合文化会館の建設が争点になり、柳田市長は8日、住民投票で建設の諾否を決定することを決断しました。しかし市議会では「本来市長と議会が責任を持って判断すべき。住民投票に委ねるのは市長の責任回避だ」との意見も出たそうです。
市民会館建設についてはいま上田市でも問題になっています。かつて須坂市では総合体育館建設、松本市では総合芸術館建設をめぐり住民投票を求める市民運動が起きた経緯があります。こうした大型施設建設については、昨今の社会情勢、多額の経費がかかり借り入れが膨らむこと、ハコモノに対する批判など否定的な市民感情があります。
一方今後のまちの将来を考え長期的な視点に立った時、市民が集える拠点施設として市民会館が必要だという考えも理解できるものです。今後地方財政が一層厳しくなることを考えれば、市民会館の建設は合併特例債が使える今しかないということもまた事実です。
問題なのはそうした事実を踏まえ、市民一人ひとりがどのように考え、どのようなまちの将来像を選び取るかということです。多額の費用がかかり市民の負担も決して小さいものではありません。より慎重な対応が必要なことはいうまでもありません。そのためには情報をオープンにすること、市民の中に市民会館建設をめぐって議論を巻き起こすこと、そして一人ひとりが考え決めることが必要です。そしてこうしたことを通じて市民の方々に市財政についてあらためてご認識いただくことです。
私はこの問題に対し「市長と議会が責任を持って決めればいい」という議論に組することはできません。選挙で選ばれたからといって、市民は議員に対して全権委任しているわけではありません。これだけ市民の意見が多様化している中で、すべて議会制民主主義だけでやっていこうと思っても無理があります。必要なところでは直接民主主義で補完することもまた必要ではないでしょうか。
また「住民投票は市長の責任回避」という指摘も的外れな意見です。市長の責任とは何か。それは市民益を考えるとともに、市民のニーズがどこにあるか的確に把握し政策決定を行うことです。市長と議会が決めることが責任ある立場で、住民投票は無責任だというのはいかがなものでしょう。
私はこうしたことから柳田市長の住民投票という意見を支持するものです。柳田さんは県会議員の当時から住民投票にかかわってこられました。新しい住民合意の一つの手段として、住民投票という選択肢に注目したいと思います。