原発について5つの神話

2011-05-14 19:01:08 | 議会活動
福島原発事故をめぐる状況は炉心溶融という、ありうべからざる事態に立ち至ってしまいました。放射能を閉じ込めておかなければならないはずの圧力容器・格納容器に穴が開き、そこから放射能が漏れ出しているというのです。

これでは東京電力が計画していた圧力容器や格納容器内を水で満たすという「水棺」計画は不可能になりました。今後の事態の進展には目が離せません。これからどうなるのか憂慮しています。そこで原発と放射能についての5つの神話について考えてみたいと思います。それは原発は安全だという神話、放射能はそれほど心配ないという神話、原発を止めれば停電になるという神話、原発は安いという神話、環境にやさしいという神話です。ひとつ一つ考えて見ましょう。

■ 原発は安全だという神話

今回の福島原発で第一の安全性の神話は崩れ去りました。つい先日、東京電力は福島原発第1号機での炉心溶融を認めました。ウラン燃料が圧力容器から溶け出し格納容器内に洩れているというものです。格納容器自身も壊れている可能性があります。もう誰も原発は安全だと信じている方はいらっしゃらないでしょう。

■ 放射能はそれほど心配ないという安心の神話

私は枝野さんの「ただちに影響が出るレベルではない」というセリフは聞き飽きました。このところ彼は口癖のようにこのセリフを繰り返しています。それではと突っ込みを入れたくなります。「将来的には影響があるということですか?」と。

放射線の障害には急性障害と晩発性障害があるそうです。1999年の東海村の原子力事故では2名の方が2ヶ月から7ヵ月後に亡くなっています。問題はその後です。ガンなど後になって出てくる障害が恐いですね。

あのチェルノブイリでは小児白血病や甲状腺ガンが多発しています。「ただちに」という言葉であいまいにするのではなく、晩発性障害についても詳細に説明するべきです。

■ 原発を止めれば停電するという神話

原発をやめれば停電するという意見が根強くあります。しかしこれについては私たちには経験があります。2002年東京電力は原発のトラブルを意図的に隠蔽したとして、17基、全ての原発を停止するという前代未聞な事態にまで発展しました。この時も停電になると言われましたが何の問題もありませんでした。

その後電力自由化の中で自家発電が普及、、大きな工場などでは自前で賄っているところも出てきています。停電するから原発は必要だという言い訳は通りにくくなっています。

■ 原発は水力や火力などと比べて安価だという神話

燃料などの直接運用コストから見れば確かに安価でしょう。しかし建設に当たっては多額の地元対策費を支払い、手厚い電源交付金などの税金が投入されています。また核廃棄物の処理方法は決まっておらずこれからどれだけ資金がかかるかわかりません。まして事故が起きた時のコストは計り知れません。

運用コストだけでなく間接コストも含めて計算すれば、総コストは火力や水力などとは比較になりません。

■ 原発はCO2を出さないので環境に優しいという神話

CO2に限ってみればその通りかもしれません。しかしその後には放射能廃棄物が残ります。これの環境への負担はCO2どころではありません。無害になるまで数十万年かかると言われています。地層処分と銘打って地下数千メートルに埋めてしまおうと言う計画があります。しかし数十万年先まで管理しなければならないという案はとても検討に値するものではありません。

私は「子供たちにツケを回してはならない」と言っていますが、核廃棄物というゴミもまったく同様です。

しかし私でさえ理解できるこうしたことがなぜ専門家の方々は理解できないのでしょうか。

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