小出さんのお話をお聞きください

2011-05-16 23:35:26 | 雑感
福島原発事故について調べていましたら、知人から京都大学の小出裕章さんという方が、原発に批判的な立場でとてもわかりやすく解説しているという情報をいただきました。参考になるかと思われますのでご紹介いたします。クリックしていただければお話をお聞きできます。

大切な人に伝えてください-小出裕章さん『隠される原子力』

原発なしでも電力足りてる 小出裕章

小出裕章(京大助教)非公式まとめ

小出裕章 氏(京都大学助教)のプロフィール 「Wikipedia」より
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日本の工学者(原子力工学)。京都大学原子炉実験所助教、工学研究科都市環境工学専攻助教。研究分野は原子核物理学、原子力学、環境動態解析、原子力安全、放射性物質の環境動態。所属学会は日本保健物理学会、エントロピー学会。東京都台東区上野出身。

開成高等学校をへて1972年に東北大学工学部原子核工学科卒業。1974年、東北大学大学院工学研究科修士課程修了(原子核工学)。1974年、京都大学原子炉実験所助手。

これからは石油・石炭でなく原子力の時代、と考えて原子力工学を志したが、現代の原子力工学における放射線被害に鑑み、途中から原子力発電をやめたほうがいいと思うようになった。以来、一貫して"原子力をやめることに役に立つ研究"を行っている。

東北大学在学中、当時女川町に建設予定だった原子力発電所に対し地元住民が反対する現状を知る。このとき、彼らが主張する「(原発が)安全ならば、なぜ仙台市に建設しないのか」という問いに対する答えを見出さなければならないと考え、答えを導き出す。その答えとは、「(原子力とは)都会では引き受けられないリスクを持っている。したがって、電力消費地に近い都会では建設が困難なため、こうしたリスクを過疎の街に押し付けようとしている」というシンプルなものであった。

この答えに到達してからは、自ら原子力に対する考えと人生についての選択肢をを180°転換させる。「この事実はとても認めることはできない、止めさせよう、これからは原子力を止めさせる方向へ自らの力を注いでいこうと決心した」

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福島原発1号機メルトダウン!

2011-05-16 04:42:17 | 雑感
5月15日付けの信濃毎日新聞によれば、福島原発1号機は地震直後に圧力容器が破壊され大量の放射能が漏れ出していたそうです。前日には炉心溶融が確認され燃料棒が溶け出し、圧力容器や格納容器の損傷の恐れもあると報道されたばかりでした。以下記事を転載します。

東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋内で東日本大震災発生当日の3月11日夜、毎時300ミリシーベルト相当の高い放射線量が検出されていたことが14日、東電関係者への取材で分かった。高い線量は原子炉の燃料の放射性物質が大量に漏れていたためとみられる。

 1号機では、津波による電源喪失によって冷却ができなくなり、原子炉圧力容器から高濃度の放射性物質を含む蒸気が漏れたとされていたが、原子炉内の圧力が高まって配管などが破損したと仮定するには、あまりに短時間で建屋内に充満したことになる。東電関係者は「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認めた。

 第1原発の事故で東電と経済産業省原子力安全・保安院はこれまで、原子炉は揺れに耐えたが、想定外の大きさの津波に襲われたことで電源が失われ、爆発事故に至ったとの見方を示していた。

 地震による重要設備への被害がなかったことを前提に、第1原発の事故後、各地の原発では予備電源確保や防波堤設置など津波対策を強化する動きが広がっているが、原発の耐震指針についても再検討を迫られそうだ。

 関係者によると、3月11日夜、1号機の状態を確認するため作業員が原子炉建屋に入ったところ、線量計のアラームが数秒で鳴った。建屋内には高線量の蒸気が充満していたとみられ、作業員は退避。線量計の数値から放射線量は毎時300ミリシーベルト程度だったと推定される。

 この時点ではまだ、格納容器の弁を開けて内部圧力を下げる「ベント」措置は取られていなかった。1号機の炉内では11日夜から水位が低下、東電は大量注水を続けたが水位は回復せず、燃料が露出してメルトダウン(全炉心溶融)につながったとみられる。

 さらに炉心溶融により、燃料を覆う被覆管のジルコニウムという金属が水蒸気と化学反応して水素が発生、3月12日午後3時36分の原子炉建屋爆発の原因となった。(「信濃毎日新聞」 平成23年5月15日付けより)


記事のポイントは3つあります。
一つ目は東京電力が初めてメルトダウン(炉心溶融)という言葉を使い、圧力容器が損傷し放射能の外部への漏洩を認めたことです。
二つ目は、今回の事故の原因については津波により外部電源の喪失だと言ってきましたが、地震による圧力容器や配管の損傷であったことを認めたことです。原発の耐震工構造に問題があったということです。
三つ目は、事故対策の有力な方策として取り組んできた「水棺」が不可能になり、対策を根本的に見直さざるをえなくなったことです。

事態は深刻です。高レベルの放射能により汚染された水が原子炉建屋の地下に溜まっているそうですが、コンクリートの建屋はもともと水を溜めておくところではありません。まして地震により亀裂が入っていることと思います。大量の汚染水が地下に漏れ出し、最終的に海に拡散していっています。

それにしても事故から2か月もたってから「実は最初から炉心溶融していました」というのはどうしたことでしょうか。

このあいだの放射能事故のレベルの時もそうでした。当初の発表は4でした。それが1ヶ月になって最高の7になり引き上げになりました。その時も「まだチェルノブイリの時ほどではない」などと言っていました。

これほどの大事故であるにもかかわらず、事故を小さく見せよう、小さく見せようという意識が働き、当事者からは正しい判断能力が失われています。正しい方針を出すには正しい現状把握が欠かせません。

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