ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

最後の忠臣蔵

2010-12-17 11:56:47 | さ行

役所広司さんは好きす。

「最後の忠臣蔵」73点★★★

あの忠臣蔵の“知られざる物語”
という設定です。


赤穂浪士の討ち入りから16年。
四十七士には一人だけ生き残りがいた。

寺坂吉右衛門(佐藤浩市)だ。


彼は遺族に討ち入りの真実を伝えるため
諸国を旅してきた。

ある日、旅先で吉右衛門は
かつての同胞
孫左右衛門(役所広司)の姿を見つけて驚く。


孫左右衛門は討ち入り前日に逃亡した
もう一人の生き残りだった。

忠義の鏡のような孫左右衛門は
なぜ逃亡したのか?

やがてその真実が明らかになる……。


忠義の心が意外な角度から描かれ
殺傷沙汰ではない
慈愛のドラマが見どころです。


まあ話が見えてくるまでが
相当に長いんですが(笑)

でも久々にゆったりと
威風堂々とした
時代劇を観た、という感じ。


人形浄瑠璃「曽根崎心中」の刹那に
登場人物の心をダブらせた演出や

スローで丹念なテンポの展開など
外国人や年配者にも好まれそう。


「十三人の刺客」と
対照的なアプローチですが

ともに役所広司主演であることのほか
映像に不思議な符号もあり

まさに双璧をなす印象ですねえ。


こちらのちょっととぼけ感も出してる
役所さんのほうが
個人的には好みだけど。


重要な役どころを担う
桜庭ななみも大健闘す。


年末、大掃除も終えて
ゆったりした気分で鑑賞したいものです。


★12/18から全国で公開。

「最後の忠臣蔵」公式サイト
コメント (2)
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