ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

マネーボール

2011-11-06 13:52:22 | ま行

超スター役者に
おもしろい脚本。優れた手さばき。

鉄板、ってこういうことすかね。

「マネーボール」83点★★★★

ブラピ主演、
「ソーシャル・ネットワーク」のアーロン・ソーキン脚本、
「カポ―ティー」のベネット・ミラー監督による
実話の映画化です。


貧乏球団アスレチックスの
ゼネラルマネージャー、ビリー(ブラッド・ピット)。

チーム成績はいまひとつで
クサり気味の毎日。

そんなとき彼は
そこにイエール大経済学科卒の
青年ピーター(ジョナ・ヒル)に出会う。

ピーターは野球のことは何も知らないが
いままで誰もやらなかった方法で
野球を“理論的”に考えていた。

その発想を買ったビリーは
いままでの常識を越える方法で
選手獲得に乗り出すが――?!


この映画、
「ソーシャル~」によく似たスタイルで
最初の20分くらいは
何をやってるかよくわからない。

でも30分経つと、ズップリ
ハマってるんですねえ。

野球のことはよく知らなくとも
ハマってるんですねえ。


うまいですねえ。


予算3800万ドルの貧乏アスレチックス
      VS
1億2000万ドルのヤンキース

どんなにいい選手を育てても
金持ち球団にどんどん引き抜かれ、

「うちは選手育成のファームかよ!」と
怒るGMのブラピ。

日本の球団でも聞く話ですよねえ。


そこに
野球をデータ分析し、理論的に考える
青年が現れる。

果たしてその新発想で、
チームを勝利に導けるのか?!という展開。


これって、もしや
「もしドラ」の元ネタなんですかね(笑)

もちろんスポーツとしての勝ち負けや、
不可能に挑んでいく
ドラマも盛り上がるんだけど、

この映画には

野球に限らず
慣習化し、硬直した物事を動かす
“変革”のドラマチックさが、
よく描かれていると思います。

だから、どんな人にも
共感を呼びやすい。

それが“鉄板”のゆえんであります。


ブラピ演じるGMが逃れられない“あるジンクス”が
まるっきり自分と同じなのには
びっくりして、笑っちゃいましたが

これも
マーフィーの法則的に
実は数値的に分析できるものなんでしょうね。

そういう糸の張り方も上手ですよ。


それにしても。

脚本家アーロン・ソーキンって人は
数学的な話を難しくなく万人に翻訳し、
テクニカル方面の実話を
ドラマにする術に長けている。

スティーブ・ジョブズの映画化は
やっぱり「ソーシャル~」チームが適任かなあ。

権利も「ソーシャル~」やこの「マネーボール」の
ソニー・ピクチャーズが買ったというし。

そんで監督は
ソダーバーグがいいなあと
ぽつおプロデューサーは妄想するのでした。


★11/11(金)から丸の内ピカデリーほか全国で公開。

「マネーボール」公式サイト
コメント (7)
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