なんとも映画らしい楽しさ!


乗るしかありませんぜ。
「オリエント急行殺人事件」72点★★★★




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トルコのイスタンブールを出発し、
フランスの北部カレーへと走る
豪華寝台列車「オリエント急行」。




名探偵エルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)は
休暇で、この列車に乗り込んだ。

ゴージャスな列車でくつろぐポアロに
富豪ラチェット(ジョニー・デップ)が話しかけてくる。
彼は「命を狙われている」と言い、
ポアロに警護を依頼するが、
ポアロはそれを拒否する。

だが、その後。
密室のはずの列車で
事件が起こった――!!

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アガサ・クリスティー原作、
74年にシドニー・ルメット監督によって映画化もされた古典を
自らポアロを演じた
ケネス・ブラナーが映画化したものです。

たぶん、な感触ですけど、この映画、
旧作をよ~く知っているかたには
あまりピンとこないようなんです。
でも、ワシにはすごく楽しかったw


旧作も見てるし、
原作もたぶん6回は読んでる。
それでも、ワシの幸せなところは
どんなに心酔した話でも
オチをすべて忘れてしまう

これ、昔っからのクセ(いや、もう障害の域……

こうした古典を
本気でピュアに楽しめる利点でもある。


なので
原作も、映画もまったく知らなくても
この映画、楽しめると思いますよー!

まず前半、事件が起こる前のワクワク感がすごい。


曲芸のようなカメラワーク、
豪華列車の内部や、それふさわしいセレブリティたちの
非日常なゴージャス感。
ケネス・ブラナーのポアロも若々しくて、好印象だし
そして
ジョニー・デップ、ジョディ・デンチ、ペネロペにウィリアム・デフォー、
そして「スター・ウォーズ」のデイジー・リドリー!……と
マジで「全員、名優

まさに映画らしさを詰め込んだ
ドリームチームな列車が動き出す!

それに
雪の中を疾走する豪華列車の映像も


ものすごく網膜に残る。
ポン・ジュノ監督の
「スノーピアサー」を
ちょっと思い出しちゃいましたが
そんな列車のなかで事件が起き

ポアロが一人一人の過去を暴いていく。
謎解きのワクワクもあるけれど
物語が進むにつれて、観客にも次第に
この事件が持つ“善悪がビミョー”な居心地悪さが伝わっていく。

結末にも
実際「うーむむ……」なんですが

まあ
昨今のミステリや犯罪ものは
加害者側が「なぜ、それをしたか」を描き込む傾向もあるし
そこがおもしろくもあり
考えさせるところなのでしょうね。


なにはともあれ
夢のような豪華列車、乗るしかないと思いますよ。
★12/8(金)から全国で公開。
「オリエント急行殺人事件」公式サイト