ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男

2018-01-11 23:26:10 | あ行


よくできたドキュメンタリーです。


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「ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男」72点★★★★


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オバマ前大統領夫人やニコール・キッドマンらもファンだという
人気デザイナーに初めて密着したドキュメンタリー。

なかなかよくできていて

進行もスムーズでスマート。
取材材料を出し惜しみせず、サクサクと進み、
内容が濃いのがいい。


ワシ、本人の名前と、なんとなくの服のイメージしか知らなかったので
まず、本人の第一印象に驚いたんですよね。

短く刈り込まれた髪に、背筋ピン!

語り口も、どこか硬くて
田舎のマジメな教師のような、
いや、四角四面な軍人のような。

あんまりデザイナーっぽくないなあと思ったけど
実はその印象はあながち間違いでなく(笑)

仕事のしかたも、思考回路も
ものすごく〝きちっとした人”なのだとわかってくる。

これまでのコレクションの映像を振り返りながら
「このときがターニングポイントだった」などなど
本人が解説してくれて
とても親切なつくり。

デザイン画を描かず、服の生地(ファブリック)を組み合わせたりして服を作っていく、という
創作の過程も非常に興味深かった。


それに
最初は恥ずかしそうにしていたけれど
豪奢な自宅や美しい庭もたっぷり見せてくれて
さらに
28年来のパートナーとの暮らしぶりも明かしてくれて
(彼らの暮らしぶりがまたステキなのだ!
なんだ、サービスいいじゃん!(笑)


個人的に一番ツボったのは
パートナーが明かす
バカンスの際にも発揮されるドリス氏の性格(笑)

やっぱり
「マジメ」の印象は間違ってなかったと
ニヤッとしつつ

この二人、おもしろネタ満載っぽいので
夫婦対談でインタビューがしたいなあとか
妄想してしまうのでした。

発売中のAERAで
マノロ・ブラニク氏の映画とともにご紹介させていただいておりますので

ぜひ合わせてお読みいただければ!

★1/13(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。

「ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男」公式サイト
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