やっぱりこの監督は、リズムが超・独特!
「ベロニカとの記憶」71点★★★★
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ロンドンに暮らす初老のトニー(ジム・ブローベント)は
小さな中古カメラ店を経営している。
元妻で弁護士のマーガレット(ハリエット・ウォルター)とは
いまも友達として会い、悪くない関係だ。
そんなある日、トニーのもとに
一通の手紙が届く。
40年も前の初恋の相手ベロニカの母親が亡くなり、
彼女が遺品をトニーに遺したというのだ。
だが、遺品はトニーのもとに届かない。
ベロニカが遺品の引き渡しを
拒んでいるというのだ。
いったい遺品とはなんなのか?
そして、40年も逢っていなかったベロニカは
いまどうしているのか?
トニーは青春時代の想い出を振り返りながら
ベロニカと連絡を取ろうとするのだが――?
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前作「めぐり遭わせのお弁当」(13年)もそうだったんですが
この監督は、かなり独特な“時間の流れ”の感覚を持っていると思う。
緩急のポイントが普通とはかなり違っていて
要は
話が見えてくるのが後半、くらいな感じなんですよ(笑)。
主人公がきた手紙をなかなか開けなかったり、
ヒントの出し方も小出しで
言ってしまえば「まどろっこしい」「じれったい」タイプ。
しかし、それがけっこう、いやではないのだ。
今回は
自分がむか~し付き合ってた女性の母親が、
自分に何かを遺した……って
ややこしい話なんだけど
ミステリー仕立てでもあるので
すこしの辛抱で「話が見えてきた!」となると
「おもしろい話だなあ」と納得できるはず。
しかも
カギを握る女性ベロニカの現在が
シャーロット・ランプリングなのだ!と思うだけで
その存在感が全体を支配し
ワクワク感がどんどん増していくしね。
ただ
シャーロット・ランプリングが出てくるのが
かなーり遅い!のは
さすがにちょっとなあ……とも思いました(苦笑)
★1/20(土)からシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
「ベロニカとの記憶」公式サイト