「桐島、部活やめるってよ」(12年)、「紙の月」(14年)の
吉田大八監督。
……さすが、おもしろい!




「羊の木」75点★★★★




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さびれた港町の
市役所に勤める月末(錦戸亮)は

上司から新規転入者となる
男女6人の受け入れを命じられる。
彼らを出迎えるうちに
どこか違和感を憶えた月末は
上司を問い詰める。
「あの人たち、刑務所帰りなんじゃないですか?!

そう、彼らは全員、
仮釈放された「元・受刑者」。

自治体が彼らを受け入れることで
刑務所、国のコストを減らそうという
国家の極秘プロジェクトの一環だったのだ。

秘密保持を命じられた月末は
何も知らない住民たちのなかに
彼らを溶け込まそうとするのだが――?!

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原作は山下たつひこ氏×いがらしみきお氏のコミック。
まず、その設定がおもしろく
引き込まれました。

さびれた港町に移住してきた6人の男女が
全員「前科者」で
しかも、それが「地域活性化」の施策だという
一見、荒唐無稽に思えて
「……いや、ありそうじゃね?

試写状に使われていた
このビジュアルも秀逸でしたね。

しかし、
この設定の不気味さに反して
映画は陰惨なことなどなく、
うっすらの危険と
ほのかな不穏さを感じさせ

淡々と
逆に「ほんわり」さえ漂う。

それゆえ
妙に現実味のある設定が不気味に可笑しくて(笑)。

さらに配役がまた絶妙。


登場するだけで「うわお

あきらかにヤバそうな北村一輝氏や
市川実日子氏、
しかし、実は刺客的な優香氏が怖い……

全編に
スリラー&サスペンス的なハラハラ

それ以上に
「人と人とがどう関わるか」を描いた
存外にいい話でもあって
とてもおもしろかった。

結末もコミックとは違うそうで
ふーむ、原作も読むべきですなこれは。

★2/3(土)から全国で公開。
「羊の木」公式サイト