もっと“トンガッタ”映画かと思っていたら
意外にも
穏やかで親密な時間が流れて
……いい。
*************************
「デヴィッド・リンチ:アートライフ」70点★★★★
*************************
絵画や写真作品でも知られる
デヴィッド・リンチ監督。
そんな彼がアトリエで創作する様子を見ながら、
彼の話を聞くドキュメンタリーです。
本人の一人語りで
彼のアトリエで、その作品作りを見つつ、
子供時代から思春期の話が語られる。
「周囲の証言」的なものは何もなく
彼以外には誰も出てこない。
多分に「トンガッた」イメージのある監督ですが
この映画には
黙々と作業をし、訥々と語る彼と実際にアトリエで対面しているような
親密で穏やかな時間が流れている。
その心地よさに、けっこうびっくりしました。
子ども時代からの貴重な写真やフィルムもたっぷりで
今に至るまでの道程も非常によくわかる。
若い頃はかなりの引きこもり…というか
ヤバい感じだったのね…とかね。
「理解不能な天才」っぽかった巨匠を
身近に感じられる気がして、おもしろかったです。
話が「イレイザーヘッド」(76年)までなので
うわあ、いくらでも続きありそう!と思ったけど
未見なのですが
「リンチ1」(07年)というドキュメンタリーもあるんだもんね。
そちらを合わせて観ると
かなり補完されるのかな。
まあ一番驚いたのは
映画にも登場する、無邪気なお嬢ちゃんが
彼の娘だってこと!
2012年に生まれたお嬢さんだそうで
うーん、オーバー70歳にして
その旺盛な制作意欲とともに
感じ入りましたハイ。
★1/27(土)から新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷、立川シネマシティほか全国順次公開。
「デヴィッド・リンチ:アートライフ」公式サイト