静かに近づく、いやな予感……。
「白いリボン」87点★★★★
09年カンヌ国際映画祭でパルムドール受賞。
ドイツの“恐るべき”作家
ミヒャエル・ハネケ監督の最新作。
見終わってなお“恐るべき”余韻が
とまりません。
1913年、第一次大戦直前の
北ドイツの小さな村。
大地主とプロテスタント教会を中心とした
静かなこの村で
次々と不穏な事件が起こりはじめる。
最初は村で唯一のドクターの
落馬事故。
そして小作人の転落死……
いったい犯人は誰なのか?
いや~これはスゴイですよ。
サスペンスだけど答えはない、2時間24分。
見終わってすぐは
謎の解明にばかり気がいってしまい
「謎すぎる~」と歯ぎしりもしましたが
まあ時間がたつと
謎解きは本当は重要ではなく
それより
2ヶ月近くたっても
まだこんなに余韻が残ってることの凄さに気づく、
という映画ですね・・・。ゾクゾク。
閉鎖的な村。不可解な事件。
やがて浮き彫りになる
村の“陰”の部分。
無垢と危険が表裏一体の
子どもという存在の恐ろしさ……
また
それらを静かに映し出す
モノクロームの映像が抜群に美しい!
これはカラーで撮影したフィルムを
モノクロにデジタル変換したもの。
いまの機材だと
ろうそくの光など写せる感度がなかったからだそうで
なるほど
グレートーンがめちゃくちゃ繊細でした。
そんな映像をはじめとして
この映画には残忍な描写などなく
逆に非常に抑制が効いている。
だからこそなのか
本当に「いや~な感じ」が漂うんですね。
で、この“予感”こそが
この映画のキモらしいのです。
でも、その“予感”が何を意味してるのかは
番長の稚拙な頭では到達できなかった。
そこで
おなじみ「週刊朝日」ツウの一見で
ドイツ文学者でエッセイストの
池内紀先生にお話を伺いまして
もう、腑に落ちることいっぱいでした。
重要なポイントは
映画の背景が「第一次大戦前夜」だということ。
ハネケの仕掛けたさまざまなトラップ(?)も
教えていただいた次第。
掲載は11/30発売号(予定)。
ぜひご覧くだされ……。
まあ監督いわく
「すべての事件に論理的な説明がなされている」
そうで
うーむやはりじっくり考えてみれば
やっぱりあれが犯人?……
2度観るのがよさそうです。
★12/4から銀座テアトルシネマで公開。ほか全国順次公開。
「白いリボン」公式サイト
なお12/4~17まで
ヒューマントラストシネマ有楽町で
「ミヒャエル・ハネケの軌跡」として
過去作品が上映されます。
観てない作品がいっぱいある……観たい!
「白いリボン」87点★★★★
09年カンヌ国際映画祭でパルムドール受賞。
ドイツの“恐るべき”作家
ミヒャエル・ハネケ監督の最新作。
見終わってなお“恐るべき”余韻が
とまりません。
1913年、第一次大戦直前の
北ドイツの小さな村。
大地主とプロテスタント教会を中心とした
静かなこの村で
次々と不穏な事件が起こりはじめる。
最初は村で唯一のドクターの
落馬事故。
そして小作人の転落死……
いったい犯人は誰なのか?
いや~これはスゴイですよ。
サスペンスだけど答えはない、2時間24分。
見終わってすぐは
謎の解明にばかり気がいってしまい
「謎すぎる~」と歯ぎしりもしましたが
まあ時間がたつと
謎解きは本当は重要ではなく
それより
2ヶ月近くたっても
まだこんなに余韻が残ってることの凄さに気づく、
という映画ですね・・・。ゾクゾク。
閉鎖的な村。不可解な事件。
やがて浮き彫りになる
村の“陰”の部分。
無垢と危険が表裏一体の
子どもという存在の恐ろしさ……
また
それらを静かに映し出す
モノクロームの映像が抜群に美しい!
これはカラーで撮影したフィルムを
モノクロにデジタル変換したもの。
いまの機材だと
ろうそくの光など写せる感度がなかったからだそうで
なるほど
グレートーンがめちゃくちゃ繊細でした。
そんな映像をはじめとして
この映画には残忍な描写などなく
逆に非常に抑制が効いている。
だからこそなのか
本当に「いや~な感じ」が漂うんですね。
で、この“予感”こそが
この映画のキモらしいのです。
でも、その“予感”が何を意味してるのかは
番長の稚拙な頭では到達できなかった。
そこで
おなじみ「週刊朝日」ツウの一見で
ドイツ文学者でエッセイストの
池内紀先生にお話を伺いまして
もう、腑に落ちることいっぱいでした。
重要なポイントは
映画の背景が「第一次大戦前夜」だということ。
ハネケの仕掛けたさまざまなトラップ(?)も
教えていただいた次第。
掲載は11/30発売号(予定)。
ぜひご覧くだされ……。
まあ監督いわく
「すべての事件に論理的な説明がなされている」
そうで
うーむやはりじっくり考えてみれば
やっぱりあれが犯人?……
2度観るのがよさそうです。
★12/4から銀座テアトルシネマで公開。ほか全国順次公開。
「白いリボン」公式サイト
なお12/4~17まで
ヒューマントラストシネマ有楽町で
「ミヒャエル・ハネケの軌跡」として
過去作品が上映されます。
観てない作品がいっぱいある……観たい!
抑制が効いているけどいや~な感じ、
これって日本の怪談と同じじゃないですか。
恐い……。
えーとですね
怪談系ではないんですよ。
もしかして
「アザーズ」系統と思った?
いやお化けより怖いのは
人間、ってね。
しかも“子ども”
そして
“戦争”が鍵ですね。