癒される〜!
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「〈主婦〉の学校」75点★★★★
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アイスランド・レイキャビックにある
伝統ある「家政学校」のドキュメンタリー。
決して「主婦」育成校ではなく
男女共学で
(さすがジェンダーギャップ指数12年連続1位の国!
ちなみにご存じとは思いますが、日本は153カ国中、120位です)
1学期のあいだ定員24人の生徒たちが
寮で共同生活を送りながら、
料理や裁縫や掃除などを教わる、という場所。
映画は、学期のはじまりに集まってくる
生徒たちの日常から始まります。
きちんとアイロンをかけ、きちんと料理を作り、
きちんと服を縫い、きちんと掃除をする。
画面から流れてくる空気、清潔な白さと
丁寧に作られる温かな食事や、細やかな手仕事――
なにもかもが美しく、気持ちよく、観ているだけで心が落ち着き、癒されます。
そして、その作業をみていると
それらすべてが、単なる労働や仕事ではなく
「きちんと生きること」につながっているんだ、とわかる。
1942年創業のこの学校は
かつては確かに
よき主婦育成のための「花嫁学校」だったそうですが
(ジュリエット・ビノシュ主演の「5月の花嫁学校」(20年)みたいなね)
1990年代に男子学生を受け入れるようになり
さらに社会の空気をも反映して
その存在意味と意義が変わってきている。
でも、やっていることは、おそらく変わってないんですよ。
正直、普通だったら
「そんなの、クリーニングに出せばいいじゃん」
「買ってくればいいじゃん」となりそうなほど
基礎中の基礎であり、丁寧すぎるほど丁寧。
だからこそ、いまの社会で、それが
もったいない精神や環境問題、
サステナブルにもつながる別の大きな意味を帯びた、ということが
実におもしろい。
さらに、ここでの学びが
自立と、自分の得意分野を知る道しるべにもなり
卒業生にはTV局でのヘアメイクなど、働く女性になった人も少なくない。
男性もまた、芸術家や俳優など、クリエイティヴ色満載で
なかには、なんと環境大臣になった人もいるんです。
いやー、マジで通いたい!
しかも料理がすべてツボ(笑)。
草原でベリーをとってタルトケーキを作ったりとか
毎食のメニューを見ているだけで
確実に太る、これは・・・・・(ま、健康的でいいってことで!)
一学期3ヶ月制だそうですが
ずっと、いたくなるなあここ。
ひとつ、疑問だったのが、窓辺に飾られた壺。
1942-1982と銘があるんだけど
これが何なのか、すごく気になる。
犬や猫にしては長生きすぎるし
創業当時の校長を偲ぶ何かなのかしら。
もしわかったら書き足します(笑)
★10/16(土)からシアター イメージフォーラムほか全国順次公開。
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