漫画より、いいとこもありましたが。
「パラダイス・キス」34点★★
累計600万部(!)の
矢沢あい人気コミックの映画化です。
都内の進学校に通う
高校3年の紫(北川景子)は、
原宿で嵐(賀来賢人)にナンパされる。
が、ナンパ……と思ったのは
実はファッションモデルのスカウト。
嵐は芸術系学校“ヤザガク”の生徒で
学園祭のショーのために
モデルを探していたのだ。
そこに
リーダー格の男ジョージ(向井理)が現れる。
一見して危険な香りプンプンな
ジョージを前に
紫は
「あんたたちの遊びに
付き合ってるヒマはない!」と出て行く。
だが翌日、紫の学校に
ジョージがやってきて……?!
目標のぼやけた受験生が
自分と違う世界でがんばる同世代に刺激され、
人生を切り開いてく……というお話。
ファッションモデル、スカウト、
カッコイイ年上の男との恋……など
少女の憧れアイテム満載の裏に
臨場感ある若者の葛藤や成長があるのが
矢沢あい氏が支持される理由と思う。
原作には進路や人生に対する若者の葛藤もあるし
まあ、そこそこエロいし(笑)
割と好きなんですが
今回の映画化は
ほぼすべて「学校のファッションショー開催」までの話で
裏に恋も進路の悩みも
見えてこなかった。
あと
マンガでもちょっと弱いなあと感じてた部分だけど
主人公がモデルを引き受ける動機が
やっぱり弱かったなあ……。
ここをちゃんと肉付けないと
イヤだイヤだと言っても
結局、華やかな世界に憧れるミーハーかあ、ってことに
なってしまわないか。
それに
せっかくのキメどころ、
ファッションショーのシーンや、
キラキラなオープニングなどが
なんかもひとつ、野暮ったい……。
もっと「SATC」ばりに
弾けちゃってもよかったんじゃ?とか。
まあ世代とリッチさが違うか…。
と、いろいろ言ってますが
まあ、キャストは
向井理でよかったと私は思います。
やっぱ身長と旬なオーラという
役者本人の素質が
演出に数段、相乗されている。
本人もけっこう
マンガを意識して痩せたそうで、
足組んで座ったときの
鋭角な膝の感じとか
シャツをインしたときの
身体のラインとか
けっこうマンガっぽい。
見た目の話ばっかですが(笑)
いや、それでいんじゃないでしょうか。
あと、ラストが原作と違ってて、
こっちのほうが好きでした。
マジメな話、この映画は
震災で気持ちが落ちそうになっている
10代、20代に、いいんでないかと番長は思う。
被災した人たちに
出張ヘアメイクをしてあげてるニュースを見たけれど、
ほんっとに、そういうことって大事。
ちょっとのカワイイやキラキラで
気持ちってあがりますもんね。
ええ、こんなオヤジの番長でも
そういうことありますけど、なにか?
★6/4から公開。
「パラダイス・キス」公式サイト
ダウナーじゃねーか。
ちょっと幸せになるような映画が観たいらしいのです。
教えてあげてみるね。
しあわせな“気分に”なれる程度でいい?
意外にハッピームービーないんですが
「ジュリエットからの手紙」
いんじゃないでしょうか。
あと
6/11公開の「奇跡」は
いま邦画でイチオシ。
観て最高に楽しい気分になりました。
観た後、しあわせになれるような映画、ない?
笑える、でもいいですが。