「イーダ」(14年)監督の新作っす。
「COLD WAR あの歌、2つの心」70点★★★★
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1949年、ポーランド。
ピアニストのヴィクトル(トマシュ・コット)は
国の命で、民族音楽を歌い踊る少年少女たちを集め
国立の舞踊団を立ち上げることになる。
ヴィクトルはオーディションにやってきた
ある少女に目を奪われる。
彼女の名はズーラ(ヨアンナ・クリーク)。
いろいろと問題のある娘だと耳打ちされるが
その輝きと才能は群を抜いていた。
そして1951年。
舞踏団に選抜され、センターを務めるズーラと
ヴィクトルは激しい恋に墜ちていた。
だが、西側の音楽を好むヴィクトルは
政府に目を付けられてしまう。
パリへの亡命を決意したヴィクトルは
ズーラと「一緒に行こう」と約束するのだが――?!
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ポーランド出身、
「イーダ」のパヴェウ・パヴリコフスキ監督の新作です。
モノクロの完璧な構図、
情感に溢れているのに、語り口はぶつ切り(笑)という
不思議な魅力は変わらずです。
両親に捧げられた物語で、
両親がモチーフになったようだけど、実際の話ではないそうですね。
1949年のポーランドから始まり、
国を隔て、くっつき離れては、愛の再燃を繰り返す男女を描いている。
「好きなんだけど、一緒にはいられない」
アンビバレントな、特に女性の想いにめっさ共感するんですが(笑)
とにかく映った瞬間に
彼女がヒロインだとわかる、主演女優ヨアンナ・クーリクが素晴らしい。
「イーダ」の歌手役、そして「夜明けの祈り」(16年)にも出演してた。
決して愛想なく、しかし強い目力、そのオーラ。
舞踊団のセンターに立つ様子が前田敦子氏に重なっちゃうんですよ。
そして民族音楽主体の音楽がまた素晴らしい!
ポール・シュレイダー監督が
パヴェウ監督との出会いで「撮らねば!」と奮起したそうで
人を、心を動かすなにかを「持ってる」監督であり映画だと思います。
★6/28(金)からヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷ほか順次公開。
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