二部構成で全4時間36分!
思ったより時間を感じなかった、というのはウソじゃないけど
それでもやっぱり長かった……。
「セデック・バレ」56点★★★
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1895年、台湾。
山岳地帯に住むセデック族は
自然と調和して生きる狩猟民族。
なかでも青年モーナ・ルダオ(ダーチン)は
勇敢さとカリスマ性で評判だった。
しかし、日清戦争に勝った日本軍が
セデック族を支配しにやってくる。
モーナたちは対抗するが、日本軍の圧倒的な軍事力を前に
屈してしまう。
そして35年後。
日本統治下に置かれ
日本人として生きるように教育されてきた
モーナ(リン・チンタイ)らだったが――。
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1930年、日本統治下の台湾で起きた
原住民による武装蜂起「霧社(むしゃ)事件」を
「海角七号/君想う、国境の南」の監督が映画化したもの。
無知なことに事件自体を知らなかったので
まず話に驚き、
日本と台湾の関係について改めて考えさせられました。
モーナ・ルダオほか
登場人物たちはみな実在の人物で
一部がセデック族による武装蜂起が起きるまでを、
二部はその後、日本軍による反撃と戦いを描いてる。
映画としては
一部62点、二部50点、という感じかな。
台湾山奥のしっとりした豊かな自然など
映像が美しく
なにより
蜂起を率いるリーダー、モーナ・ルダオの
壮年時代を演じる俳優リン・チンタイのカリスマ性がそりゃすごい。
(本業は牧師だそうで、これが映画初出演とは信じられない!)
伝統音楽のような悲しげな旋律にのせた
悲劇の数々は
実話だけに重みもあり、印象に残るシーンも多いんです。
なんですが、それでもやはり
歴史ものを長尺で描くのは芸がなさすぎ。
そんなに長い期間の話でもないし
(35年の間はそもそも飛ばしてある)
展開も早めなのに、
とにかくアクションシーンが多いんでしょうね。
やたら闘うだけでなく
もっと感情要素を取り入れて、
ドラマにできなかったものかなあと。
それに出てくる人出てくる人、
みんなTOKIOの長瀬氏か松岡氏か、佐藤浩市顔で
まったく区別がつかないのも非常に困りました(苦笑)
この事件とストーリーには、解説が必要かもしれない。
これこそ『週刊朝日』「ツウの一見」の本領発揮!というわけで
来週4/23発売号で
「霧社事件」研究40年(!)という
春山明哲先生にお話を伺っています。
文字数全然足りませんが(失笑)
読むと「なるほど」なことも多いかと思います。
さらに映画に合わせて春山先生の
ビジュアルコンテンツ「台湾・霧社事件への招待」(ピコハウス)が
発売されるそうなのでご参考に
★4/20(土)全国で公開。
「セデック・バレ」公式サイト
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