ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ハイネケン誘拐の代償

2015-06-11 23:42:41 | は行

もっと企業の裏事情モノかなーと思ってたんですが。


「ハイネケン誘拐の代償」52点★★★


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1983年、オランダ・アムステルダム。

不況のあおりで
仲間と経営している会社が危機に瀕している
コル(ジム・スタージェス)は
ある計画を思いつく。

それは、世界的なビール会社ハイネケンの経営者で
地元の名士である
ハイネケン(アンソニー・ホプキンス)を誘拐し
身代金をいただくというものだった――。

計画を実行するための資金を得るため
まずは銀行を襲うコルたちだったが――?!

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1983年、実際に起こった事件を基にした
犯罪サスペンス。

こんな事件、知らなかったし
すげー興味をそそられます。


しかし、内容としては
最近の犯罪モノはとにかく凝っているので、
ちょっとこれはシンプルにすぎた。

企業名出てるし、犯人側だけでなく、
会社側の対応や、内部事情も描かれるのかなーと
勝手に誤解していたのも悪いんですけどね。

ジム・スタージェス演じる主人公をはじめとする
若い犯人たちの動機も
「身を削って働きたくない」とかちょっと単純だし、
まあ根底には、
マジメにがんばっても報われない社会への不満があるとは思うんですが

それにしても
仲間内に兄弟もいる犯人の足なんて
あっという間に着くだろうなあと想像できる。

なにより
ちょっとちょっと!コピー機に身代金要求の手紙の原本、置き忘れてるよ?とか(笑)
犯人グループの仕事があまりにもずさんで……(苦笑)

人質になった手練れの経営者に、
やすやすと懐柔されてどうすんの?とか。
まあ、ここにアンソニー・ホプキンスを持ってこられちゃあ
仕方ないかなというところなんですが。


誘拐されたハイネケン氏が言う
「莫大な富を手にするか、大勢の友人を持つか。両方は取れない」と言葉は
けっこう「グサッ」と刺さるので

そう言わせる
ハイネケン氏の身辺や会社での立場、身内側を描くことで
彼自身のそこを、もっと深く探ってほしかったです。


★6/13(土)から全国で公開。

「ハイネケン誘拐の代償」公式サイト

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