ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ユキとニナ

2009-12-05 16:45:15 | や行
台湾女優リン・チーリンに会ってきましたよー。

いやーまばゆかった!

「聞くことねーよー」なんて鼻ほじってた番長ですが
あっさりノックアウト(古っ)されました・・・

サイン入りの写真集までいただいちゃって



いいお嬢さんだなーデレデレ。

美の秘訣も聞いてまいりましたので
詳しくはAERAで。掲載日決まったらお知らせします。


で、今回は
すっごくカワイイんだけど寝ちゃった映画・・・




「ユキとニナ」61点★★☆


ヨーロッパで高い人気を誇る諏訪敦彦監督と
俳優でもあり今回が初監督となるイポリット・ジラルドの共作。


主人公は
フランス人の父と日本人の母を持つ9歳の女の子ユキと
彼女の親友ニナ。

大の仲良しの二人は
いつもパリの街を駆け回ってる。

しかしユキの両親が離婚することになり
ユキは日本に帰ることになってしまう・・・という話。


おっとりしたハーフのユキと
パリっ子らしいおませさんのニナ。

この子たちが本当に可愛らしい。

映画全部が
着ている服も、雑貨も
街の色合いも、暮らしの息づかいも
日本人が憧れるパリ、いやおフランスそのものです。

二人が迷い込む森のシーン
みずみずしくて美しい。

カワイイことは本当にカワイイんだけど

ときに二人の服装が時系列から前後したり
途中で「いまカメラ撮ってるけどごめんね」なんて
ドキュメンタリーか?という要素が混在したりと
意図がよくつかめなかった。


子どもが遠くまで歩いていく姿をずっと見送るような
ロングショットは効果的なんだけど
安らかな眠りへと誘うアプローチでもあり・・・


ラストに沖縄の「てぃんさぐぬ花」が流れるのも
うーん?流されてないか?なんか。


一番印象に残ったのは
ユキがパリのおうちの食卓で使ってるお椀が
「あ、うちのとおんなじ無印良品
なんてことでした。


★2010年1/23から恵比寿ガーデンシネマほか全国順次公開。

「ユキとニナ」公式サイト
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゴールデンスランバー

2009-12-03 15:12:59 | か行
これ、おもしろかったですよ。

「ゴールデンスランバー」80点★★★

首相暗殺の犯人に仕立て上げられた
無実の男(堺雅人)が
舞台となる仙台を逃げ回るという話。


濡れ衣や誤解といった素材はうまく扱わないと
じりじり、イライラするばっかりだけど
この映画はうまかった。

だってこんなにシビアな状況のなかに
なんで笑えるところがあるかな?(笑)

主人公の敵は国家レベルだし
どんなに無実を訴えようと言い訳無用で即射殺。
そんな話なのに、軽妙で軽快。

その空気の中に時々出てくる
シリアスな恐怖が際立つし
スリルもちゃんとあってバランスがうまい。

これをとことんハードボイルドにやると
「笑う警官」になるでしょうな。


この軽快さはやっぱり原作・伊坂幸太郎の持ち味なのか?
と、気になって実はいま本開いてます。

やっぱり、原作の持ち味が相当上手に生かされてますね。
セリフはほとんど本のままだし。


でもまだ本は途中だけど
やはり映画には脚本と演出、そして役者の相乗効果からなる
映画ならではの醍醐味がありました。

中村義洋監督、同じ堺雅人×竹内結子の
「ジェネラルルージュの凱旋」もおもしろかったしな~
上手ですね。

ハリウッドのアクションサスペンスには
絶対にこの気の抜けた笑いや
緊張と弛緩のバランスは生み出せない。

ドタバタになるかとことんシリアスになるかだな。

ニッポン映画の美点といえる作品です。


★2010年1/30から全国東宝系で公開。

「ゴールデンスランバー」公式サイト

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オーシャンズ

2009-12-02 13:27:57 | あ行
昨日、リベンジと思って
絵本『かいじゅうたちのいるところ』読みました。

かいじゅうたちのビジュアル
絵本にすごーく忠実なんですね。
特にKW。鼻から下がながーいところがそのまんま。

でもけっこう話はあっさりしてるのね。

番長が寝ていた核心部分は――?
みなさんぜひ映画館で!←汚いなあ。



で、今回はほぼ完徹で見たのに
ほとんど寝なかった(ほとんど・・・?)合格映画。

「オーシャンズ」70点★★☆

「WATARIDORI」のジャック・ペラン監督による
海の中を追ったドキュメンタリー。

「アース」「ディープ・ブルー」といった
ネイチャー系が好きな人は必見です。

です、が。

見終わって、最初に感じたのは途方もない罪悪感。

「人間って生きてるだけで罪!」と
ショックからなかなか立ち直れませんでした。

別に「自然保護」や「環境保護」の
重~い映画ではないんです。


ガラパゴスから南アフリカ、オーストラリア、そして日本など
世界各国の海の中を
最新技術を駆使して撮影したびっくり映像ばかりで


普段は絶対に見ることのできない
生物たちの営みを捉えた映像がすごい。


また同じ魚やペンギンを写しても
編集の妙でユーモラスになったりドラマチックになったり
退屈させないのは
さすがフランス人らしいセンスです。

イカの捕食の瞬間に驚き
カニ(かな?)の静かな戦いに笑い、

しかし
そうした自然界の調和にゆったりと身を任せているうちに
いきなり人間による漁のシーンが登場するんです。

これが衝撃的。

自然界のなかで人間が
サイアクに邪悪で凶暴な存在であると
はっきり自覚できます。

漁のシーンはごく短く、しかも
ここだけアニマトロニクス(コンピューター制御のロボット)を使って
動物たちを傷つけずに撮影されているそうですが

もうね、その衝撃度が強くて
ラストまでずっと悲しくなっちゃいました。

番長、生涯もうフカヒレは食べない!

(日本人による捕鯨のシーンもあるけど
 ここは極力、中立に描かれていると思う)


ほかにもゴミのなかで泳ぐアザラシがいたり

動物愛護の気が過剰にある番長は
いままで見てきたネイチャー映画のなかで
一番「なんとかしなくちゃ!」と思いました。

あーもうプラスチックとか見るだけで
嫌悪と罪悪感が襲ってくる~~

「温暖化」とか人間の都合ばっかじゃなく
「生態系の保持」や「種の保存」
そして「物言わぬ動物や植物の生きる権利」が大事じゃ!

ホントのところジャック・ペラン監督って
ちょっと叙情的すぎるきらいがあって
あまり得意な監督ではないんですが

これは
DVDでいいから見るべき、見なくてはいけない映画です。

★2010年1/22から全国で公開。

「オーシャンズ」公式サイト
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

かいじゅうたちのいるところ

2009-12-01 11:43:04 | か行
「寝ちゃった映画もすべて紹介します」
と宣伝している手前・・・

「かいじゅうたちのいるところ」55点★☆


8歳の少年マックスがかいじゅうの国に行き
そこの王様になって遊び回る・・・という話。

世界でもっとも有名な絵本を
「マルコヴィッチの穴」のスパイク・ジョーンズ監督が映画化したものです。

っていうかホントすみません。
久々に爆睡しました。


特に寝不足でもなかったんですが・・・

前半1時間くらいしか見ていないので
実際のところ判定は不可能かも。

絵本が元ネタなのも
かいじゅうたちのビジュアルにあまりそそられないのも
よくわかっている上で見たのですが

英語が簡単なので、つい目を閉じてしまったのが運の尽きでした。


主演の少年はカワイイし
前半はまあ見ていたのですが
かいじゅうの世界に行ってからは

「ワーワー」(叫ぶ声)「ドカッツ」(破壊する音」ばかりで
少々うんざりしてしまったのかも。

少年の成長やホロリさせる場面(あれば・・・)まで
たどり着けませんでした。


しかし目を開けたら少年が家に帰るところだったので
(いいのかな~
そのあいだがすごく気になる。

今日、これから表参道行くので
クレヨンハウスで絵本探して読んでみます。


★2010年1/15から全国で公開。

「かいじゅうたちのいるところ」公式サイト
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする