この監督、
多分に「工場萌え」の気があるようで。(同類。笑)。
「アンダー・コントロール」67点★★★☆




2022年までに
原発を全廃することを決めたドイツ。



現地の原発内部や、廃炉になった原発の現状を
3年にわたって追ったドキュメンタリーです。

この映画
ちょっとおもしろいのが
“原発”と言われて
思い浮かぶタイプの作品じゃないところ。
監督は
核燃料棒やら、核燃料を冷やす巨大プールなど
よくこんなもの写せたなあ

内部にまで潜入しているのですが、
それが何かという説明はなく、
ナレーションもなく
ひたすら人工物の
左右対称の美しさとか巨大さとかを
静かに完璧に画角に納めているんです。


その映像は
ほとんどアートの域。


もちろん
原発に推進か反対か、などの立場や、
個人的見解も徹底、排除。

その
距離感と冷静さから
ここまでシュールさや、怖さが立ち現れてくるという
おもしろいアプローチです。

「原発、反対!」とか叫ぶよりも
こっちのほうが断然COOLに決まってる。


なんですが、
正直、もう少し緩急と説明がないと
退屈な面もあります。

それを補うために、
やっぱりプラス資料が必要だと思う。


600円(税込み)のパンフレットが
非常によくできているので、
ぜひ購入をおすすめします。

よりおもしろさが増すと思います。
まあしかし、
詳しいことがわからなくても、
一見して
原発ってホントに効率悪いなあ、ムダだなあって
思いますよ。

稼働中の原発が出す廃棄物はもちろん、
廃炉が決まって、壊されたとしても、
そのがれきやゴミを洗って、
その洗った水までドラム缶に詰めて、
それらをまた地下深く潜って、捨てるわけですよ。

サイアクに面倒ですよね!

どんだけ無駄なことしてるか、
しかもリスクが高いなんて、
ホントにうんざりしました。

番長は何も主張していない
この映画を観て、
さらに断然、脱原発派になりました。


電気代、少しぐらい
高くしてもいいですよもう。

★11/12からシアターイメージフォーラムで公開。ほか全国順次公開。
「アンダー・コントロール」公式サイト