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25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

トランプ大統領の顔をたてる

2019年02月02日 | 社会・経済・政治
 アメリカと中国の通信分野が象徴する覇権争いで世界は東西、南北をブロック化しそうである。困ったものだ。しかも再び軍拡競争になりそうである。アメリカから高い武器を買い、アメリカのいうとおり、面積制限なしのカジノ法案も作り、農薬の基準も緩和し、遺伝子組み換え種子の門戸も開き、表示までしなくてよいようにし、漁業権も大手企業も買えるようにして、森の規制も、水道の規制も、農業の規制もしたというのに、アメリカのトランプ大統領は対米日本の貿易黒字が気に入らない。それは中国にたいしてもだ。
日米構造協議で日本は徹底的に丸裸にされて、研究しつくされて、再び敗戦となったのは1990年代だったか。金融の自由化も始まり、再編も始まった。そして竹中平蔵のような学者が小泉純一郎に引き上げられて大臣となり、今日に至るまでの新自由主義的な政策が始まった。最初の象徴が郵政民営化である。

 このような政治の流れを実感として感じることはないが、この2月1日からEUとのTPAが始まり、ワインの関税が撤廃された。チーズもらしい。庶民感覚で言えば安くなることにこしたことはないが、日銀や政府はやきもきしていることだろう。2%の物価上昇はまたも遠のく。
 
 習近平主席が訪日するという。米中貿易戦争、ファーウェイ起訴で強気に出ているアメリカは中国と同様の貿易黒字国だから、本来はタフな交渉になるはずだ。日本はトヨタを救うために何を差し出すのだろうか。すでにカジノの権利をあげたも同然であり、儲けはアメリカの企業に吸いとられていく。カジノ会社が無制限にお金を貸し出すこともできると了承されている。企画書では海外の大富豪を相手にするのは難しく、国内の8割の日本人客を見込んでいるようだ。パチンコ天国で、競馬、競輪、ボートと賭け事が好きな日本列島人。日常のすごそばにパチンコ店がしっかり根を張っている。珍しい国だ。IR法でリゾートエリアにカジノができたら、日本人は6000円もの入場料を払って出かけるのだろうか。そこまで愚かだろうか、と問いたい。しかしIR法は議決された。そして今度の交渉でトランプ大統領の顔をたてるのは何か。アグリビジネスか、中国を牽制せよか、核を買えか。
 テレビや新聞は裏で進んでいることを報じることなく、嵐はどうだの、なんだの、と言っているくらいで、新自由主義の功罪の取材くらいしろよ、と言いたくなる。竹中平蔵がちゃっかりとパソナという人材派遣会社の会長におさまり、外国人労働者派遣にも仕事を広げることにある。かれのビジネスには温かい風が吹いている。こういうことも30年、50年後どう日本社会に影響するのか、もっとまじめにやれよ、と言いたくなるのだ。