25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

FACT FULLNESS など

2019年03月03日 | 社会・経済・政治
 ハンス・ロスリングの「FACT FULLNESS」、ジム・ロジャースの「お金の流れで読む日本と世界の未来」、橘玲の「もっと言ってはいけない」 
 どれも啓蒙書である。それぞれの視点から現在の人間について、現在から語っているというわけだ。 
 書店の本棚を眺めていると、竹中平蔵だの高橋洋一だの堀江貴文などの新書が大きな写真とともに、本棚で主張している。高橋洋一は日本には資産がいっぱいあるから、借金大国ではないという持論を展開し、財務省を目の敵にしている人物であり、安倍応援団の一員でもある。そうならその資産を売って予算に充てればよいものを、と思うが、どうなっているのだろう。
 竹中平蔵はパソナという人材派遣会社の取締役会長である。小泉純一郎政権の時には経済大臣をやり、何でもかんでも民営化が持論のように見える新自由主義経済学者でもある。ついでに派遣業を開放し、自分がその会社の会長とはどういう神経をしているのだろうとそのいじましさを軽蔑する。堀江貴文は刑務所体験を武器にしてあれこれと新書で物申している。いつの間にか、経営者から啓蒙家になってしまった。刑務所を体験したからってなにがどうなのだろう。国民の税金で風呂に入り、飯を食い、宿を提供されたのではないか。

 あくまでも勘であるが、この3冊の本はぼくに「読めよ」と囁いてくるようだった。自分なりに懸命に生きてきた22年であったが、平成の30年を振り返りたくもなる。ぐるりと周囲のこともしりたくなる。尾鷲は衰退し、日本の現在は嘘の統計の上に政治は成っているのだから、そのことも含め、読み物を探すことになる。
 最近の新書では堤未果の「日本が売られる」だった。普段あまり気にも留めず、報道にもセンセーショナルでてこない大事なことが書かれていた。水が売られる、土が売られる、森が売られるなどなどを読んでいると、立ち止まって考え、議論を尽くしてくれよ、自分の方も立ち止まる。
 さて今度の本は何を教えてくれるのか、夜が楽しみなのである。
 そうそう、「中島みゆき詩集2004-2015」が文庫本であった。ぺらぺらめくって読んだ。が買わなかった。その代わり、CDアルバムを2枚借りた。曲と一緒に歌詞も、と思ってしまう。