25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

心遣い

2019年03月20日 | 日記

 料理屋の板長さんが、頃合いを見計らって、ちょいと、「何か美味しいもの」をサービスでだしてくれるときがある。

 大人になって働くなるようになってから、「弥栄」という寿司屋によく行った。まだ子供もいなくて、気楽なものだった。そこの大将の奥さんはぼくの同級生だった。手の遅い大将はニタッとした笑みを浮かべて、毛蟹を出してきた。注文もしていないのにである。毛蟹は紀州にいては食えない。学生の頃でも食えない。高いからだ。ぼくは毛蟹の美味しさを初めて知った。蟹は旨い。さまざまな蟹を食べたが、椰子ガニは食べたことがない。バリ島でフィージーで仕事をしていたという日本人男性が「椰子ガニほど旨い蟹はない」と何度も言っていたから、死ぬまでに一度は食べてみたいとおもう。

 続いて、今はもう引退した「剣」という活魚の料理屋で、ある日、店主がハゼの天婦羅をだしてきた。今日釣ってきたんだと、と言って出してきた。この美味しさにも驚いた。この店ではメイチ鯛や鬼エビの旨さを知ったのだった。

 東京のホテル内にある寿司屋で、サヨリを皮を串に巻いて出してくれたことがあった。また青物横丁の料理屋で「伊勢海老の味噌の塩辛をそっとだでしてくれたことがあった。このように板前さんはときどきサービスでめったに食えないものだしてくることがある。

 さて、この前の火曜日に、岡田さんとよくいく料理店に行った。いつものように、村上春樹の短編集のことなど話、酒を酌み交わしていたら、ひょいと、「これ食べて、サービスやで」と言って、さらにフグのような薄造りともみじおろしがある。しかしトラフグとは色が違う。「彼岸フグっていうて、友達が釣ったらしい。「へえ、聞いたことのない名前やな」「アカメフグとも言うらしいけどな、毒が強い。皮算もダメやで」

 身はやや桜色っぽく、コリコリしていて、やや甘味がある。ぼくとしては、もう少し薄く切った方がよかったのではないかとも思ったが、こころなかではやはりトラググのほうが旨いもではないかと思ったのだった。それでも初めて食べるその彼岸フグは十分美味しく、こういうサービスはあるものだと嬉しかった。

 薄造りはぼくのなかでは、クエ、トラフグ、コブ付きの荒磯で育った真鯛、シマアジ、ヒラメ、メイチ鯛、ハゲ、オコゼという順になる。さて彼岸フグをどこに入れるか、今考えている。そして板前さんの心遣いを何度も思い出す。

 

 

 

 


思わぬ事態

2019年03月20日 | 日記

 パソコンのスイッチが入らないという故障は、ぼくより詳しいい方によると、修理専門店ださないといけないらしく、修理代も結構かかるということだった。ついでにぼくのパソコンは7歳か8歳で、そろそろ寿命だという。今のパソコンは寿命が5年くらいだと聞いてびっくりした。スイッチがはいらないとすると、中のデータを取り出せるのか訊くと、データそのものが壊れていなかった分解すればできる、と言ってくれたので、まず、ホッとして、修理はあきらめるので、中のデータをとりだしてほしい、言って、取りだし代も訊いた。5000円。やってみてほしい、とお願いすることにした。昼ごろ電話が来てデータを取り出せるということで一安心した。データベース量が案外多いので、32ギガと16ギガのSDを持って行った。

 コンピュータを使うといっても精々、ワード、ブログ、メール、検索、音楽取り込み、写真保存くらいのもので、スマホやタブレットがあれば今のコンピュータが生き残ってくれれば、モニター画面とキーボードが取り外せるこちができて、タブレットのようにも使えるマイクロソフトのSurface を買おうと思っていた。これで買えなくなった。やはり画面の大きなパソコンは見やすく、キーボードも十分な大きさである。

 おそらく、そろそろスマホもかな、と思う。動画とか、音楽とかこれからは注意して使おうなどと思う。

 とりあえずWIHIの設定をしてインターネットを使えるように、Google chrom から幾つかのgmail などのアプリをとりだし、デスクトップに置き、いよいよマイクロソフトのワード、エクセル、パワーポイントをダウンロードすることにしたら、アカウント作成でつまづいた。ID と暗証番号がうまくいかない。

 もういやになって今日は止め、明日することにした。 こういう思わぬ事態が起こるものだ。全く嫌になる。

 一方で家の裏の棚を見ていたら、思わぬ本が10冊でてきた。なにかと見ると、22年前にこのテキストの音声を作ったのだった。「臨床会話」で医師が指させば患者の状態がわかり、医師も説明できるという便利物だ。英語、フランス語、中国語、スペイン語、ポルトガル語、韓国語、フィリピン語、タイ語、ベトナム語、ドイツ語の十冊である。

 仕事で失敗し、尾鷲を離れた初老男性からハガキがきて、病院の警備員をやっているということだった。それではと思い、この十冊を送ったのだった。半年ほどして、病院でとても喜ばれているということだった。彼はこれを持っていることが自慢そうに書いてあった。理屈っぽい人だったが、元気にやっているようで嬉しかったのをおぼえている。

 これをアプリ化するのもおもしろいことだろう。