エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

地上の星とクリミア戦争

2014年03月03日 | ポエム
中島みゆきの地上の星は、対極に「昴」を置く。
ぼくは、断然「シリウス」だ。

かつて、日本の政治のリーダーであった政治家の死に際の台詞は・・・。
「シリウスは輝いているか?」であった。
いま、彼がシリウスに託した政治の現況は、雲間に隠れてしまっている。
ちっとも輝いていない。

それは国際政治も然り、である。
大国主義と言う陳腐な亡霊が蘇っていて、この惑星を覆っている。
東西冷戦の新たな亡霊が、力なき人々を抑えつけようとする。
邪悪な雲が、厚く張りつめんとしている。



クリミア戦争で、黒海の制覇を決定づけた連合軍が黒海の制海権を決定づけたセヴァストーポリ包囲戦である。
この戦には、かの文豪レフ・トルストイは士官候補生としてこの戦いに参加しており、この時の経験を元に「セヴァストポリ物語(英語版)」を書いたのである。



ナイチンゲールである。
このように、クリミアと言う地名は人類の叡智の横溢した地でもあるのだ。
この戦には、トルストイもさることながら、ナイチンゲールも従軍している。
ナイチンゲールは、近代看護教育の母であってギリシャ哲学にも造詣の深い女性であった。

さて・・・かつて、マルクスが喝破したように・・・。
その亡霊は、かつて労働者の母国だった地域に蘇っている。
ウクライナ、クリミア半島へのロシア軍の展開である。

ロシアは、かつて歴史的にも今回と同じ論拠でクリミア半島で侵略戦争というん蛮行を犯している。

そのクリミア戦争は、前述した。
もう少し言えば、1853年から1856年オスマン帝国およびイギリスを中心とした同盟軍及びサルデーニャとロシアが戦い、その戦闘地域はドナウ川周辺、クリミア半島、さらにはカムチャツカ半島にまで及んだ近代史上稀にみる大規模な戦争であった。
日本では汎スラヴ主義を掲げるロシアのイデオロギーや南下政策がもたらした対立の一環であるとの見方が定着している。
言い換えれば、国益のみで戦争をしかけたのが当時のロシアであった。

また、鮮血が流れるのだろうか。
革命によって流された血の代償。
その絆。
人の友愛。

単なる、国益という愚かさよ。
単なる、形式主義の陥穽よ。
その偽善よ。




地上の星 / 中島みゆき [公式]




シリウスは輝いているか?
きみの内なるシリウスは輝いているか?

陥穽から脱却し、新たな地平に踊り出よ。
新たな地平に向かって、踊り場からジャンプせよ。

ちまちまとした、お隣の大国。
かつて一衣帯水の国と言われた大国の、なんと矮小なことか。
ねちねちとした、お隣の国。
ドラマでしか、きみは正解を示せないのだろうか。

どの国も、自己実現のために他国を利用する「輩」に成り下がってしまった。
ぼくは、悲しい。
この二つの国。
ほんのこの間まで、大好きだった国だ。

悠久の歴史に、食の宝庫。
ぼくたちのルーツを秘めた国である。

縄文の時代から、今の今まで尊敬してきたと言うのに。
ぼくは、悲しい。

能うかぎり、期待する。
ウクライナで、鮮血を流すな。
小さな資源を巡って、無益な紛争は止めよ。
小さな面子で、意固地になるな。

人類の知恵は奥深いのだ。
命の循環を裁ち切るな。



シリウスを未来永劫に皇かせよ!
と。

今日は、なんだかアンニュイな気分である。
言わずもがなの発言に終止してしまった。
誰もが・・・思っている事をしまりなく書き連ねてしまった。

許されたい。
けれど、日本の為政者にもう一言!
「殴られた方は覚えているのだ。殴った方は忘れていたとしても」
その事実の重さを忘れてはいけない、のだと。

今日は、俳句を詠めない。
世界は、あまりに汚らしい。




       荒 野人