エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

明日3.11 レクイエムを読み聴く

2014年03月10日 | ポエム
明日は、3.11である。
ぼくの記念碑的出来事でもある。



そう・・・俳句を学び始めて「からまつ」に席を置いた年でもある。
3.11の強烈な出来事があって、秋・・・。
由利主宰が仰った。
「俳句を詠む者は、あの震災を詠み続けなければならない。それが俳人の責務である」と。

ぼくは、その言葉に身体の震えを覚えたのであった。
そうか、詠むのだ!
花鳥諷詠だけが俳句ではないのだ・・・と。

句会もまだ、2回目程度の参加であった。
直ちに、従兄弟と話し合って東北へ出掛けたのであった。
東北自動車道も白河を通過する頃になると、高速道路は波打ち、周囲の山は崩れていた。


モーツァルト 《レクイエム》 より



恐ろしい風景が広がっていくのであった。
里山は、既に崩壊していた。

その中で、ぼくは未熟な俳句を詠み続けた。
その時の句を20句纏めて、翌年ぼくはからまつの結社賞である「山河賞」に応募した。
結果は、次席であった。

さて自分のことは、ここまで。
ぼくは改めて、句集「龍宮」を詠み直した。





  迷いなく来る綿虫は君なのか
           照井 翠


この句に至って、ぼくは読み進めなくなった。
胸が詰まって仕方がない。
涙は溢れているのに、零れない。
哀悼の言葉は、ぼくには紡げない。

心を揺さぶられる・・・とは此の事である。
ぼくのブログを詠まれている全ての皆さんに。
あの3,11を決して忘れないで下さい。
毎年毎年、悼みを捧げて下さい。


「水温むまだ三年だけまだ三年」


それが人としての責務だと、そう思って下さい。



        荒 野人