エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

白鳥という一巨花

2014年03月05日 | ポエム
白鳥といふ一巨花を水に置く
         中村草田男

そのオマージュは、見事である。


ヨー・ヨー・マ The Swan Saint-Saens



ヨー・ヨー・マの、内省的な、才気煥発ではない見事なまでに抑制されたサンサーンスの白鳥を聴きながら、写真をご覧下さい。

昨日、ぼくはおっぺ川にその一巨花を見学に出掛けた。
いたいた・・・。



ネットで調べたところ、100羽を越えているとの情報。
勇んで車を走らせた。

目検討で、50~60羽だろうか、悠々として川面を滑っている。
優雅なものである。

早速、写生を始める。



これほど、豊かな写生は久しぶりであった。
だが・・・句が詠めない。
写生は、死にたくなるほど難しい。

過日、句友が3月の投句をしてきた折の端書。
泣きたいほど、写生は難しい!
かの句友が泣きたいほどなら、ぼくは死にたいほど・・・である。







「首丸め毛づくろいする小白鳥」







「小白鳥ですが…何か?」と問いたげである。

おっぺ川。
白鳥は、小魚は食べないからこの川は、豊かでなくても良いのだけれど魚影は濃い。
豊かな川である。

白鳥たちは、土手の向こうの田んぼに行って餌を探す。



サギも飛来してきて、白鳥の群れから離れて遊んでいる。
鴨が多いのは当然である。

土手には、オオイヌノフグリが、翡翠色の小花を咲かせている。
白鳥見学の人も多い。

北帰行は、この月半ばが例年である。
この金曜日には、何人かと連れ立って再来する。
それに加えてもう一度、この川には来ることになるだろう。
シベリアに還る彼らに別れを告げるためである。



        荒 野人