エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

永遠の〇・・・散華

2014年03月23日 | ポエム
今、話題になっている「永遠の〇」を観た。




映画 『永遠の0』 予告編 90秒





空を舞台とした映画はわくわくする。
この映画は、多くの言論人が「戦争讃歌」であって「特攻讃美」というけれど・・・。
男と女の愛の極致を描き出した、と云って良かろう。





「島々の戦の名残春の雨」

「映画観し散華の春の物語」





ぼくは不覚にも、上映中ずっと涙していた。
涙なくしては見られない男と女の愛の形であって「零戦」と「特攻」と「戦争」は歴史的事実として観るべきであろう。
久しぶりに良い映画だった。

そんなに、口を極めて批判される映画では無い。
散華の形まで否定するなら・・・日本の美学否定である。




映画【永遠の0予告】大ヒット上映中♪





何が話題になっているかと言えば、原作者の百田尚樹の発言である。

実は、その発言を嫌気してぼくは、映画を見る事は止めようとも思っていた。
報道によると、百田氏は、米軍による東京大空襲や原爆投下を「大虐殺」と表現し、A級戦犯を裁いた東京裁判は「それをごまかすための裁判」だったと指摘したという。
さらに、南京大虐殺についても、「そんなことはなかった」と発言している。

この百田発言に対し、在日米国大使館は今月8日、米政府の立場として「非常識だ」などと百田氏の発言を非難していた。
といった経過を承知しつつ、やはり観てみようと思ったのである。

映画は素晴らしかった。

百田氏は、NHKの経営委員など引き受けるべきでは無かった。
物書きとして、存在を示すべきだった
いま、そう思う。



岡田准一、が良かった。
いまは亡き、夏八木勲、が良かった。
山本學、も良かった。
風吹じゅん、も良かった。
おひさま井上真央、の戦争未亡人も良かった。



井上真央の大きな目が、良い。
その瞳に映される景色が、良い。

岡田准一は、ジャニーズ系だからと敬遠していたけれど、素晴らしくストイックに役を作っている。
俳優として、秀逸であると思う。
いま、もっとも脂の乗った役者かもしれない。
素晴らしい演技であった。

夏八木勲は、齢を重ねつつ老成した演技力が光る。
正しく、老熟である。
惜しい役者を亡くした。

この映画は、岡田と夏八木が支えている。




        荒 野人