エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

穏やかな

2014年03月04日 | ポエム
誠に穏やかである。
風は冷たいけれど、風を除け日差しを満腔に吸い込めばホッとする。
その暖かさは、春の予感そのものである。

春の予感は、恋の予感でもある。
今日は、これから白鳥の様子を見に出掛ける。
情報によれば、雪が解け暖かさが増すにつれ白鳥が戻っていると云うのだ。
昨日現在で、100羽を越えている・・・らしい。



ぼくがいく飛来地では、北帰行は例年3月中下旬といった頃合いである。
日々北帰行するにしても、今日はかる気宇100羽を越えている筈である。

過日、大雪の影響で白鳥が居なくなった。
従って、白鳥吟行は中止としたのだけれど・・・。
もし様子が良かったら、吟行を再度計画してみようかと思っている。

帰りは、川越の五百羅漢さまか、吉見百穴にでも立ち寄ってみようと思う。



おっぺ川の帰りは、行きたい場所だらけである。
穏やかな一日、妄想が広がってならない。

昨日は、シリウスが隠れた。
今日は、昴が中空にかかってくれるだろうか。



あるいは、天狼星が輝くだろうか。
今頃の厳しい寒さの空では、星は煌めいても瞬かない。
光も凍りつく。
その凍りつく光が、美しい。

昨日の黄昏は、素晴らしかった。
けれども、大気は冷えている。
凍りついていたと言っても良かろう。







「寒戻る大気にひびの入る音」







かぐや姫も、この光を求めていたのではないか。
そんな気がするのである。

白鳥はその使徒である。



          荒 野人