エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

春が来た

2014年03月25日 | ポエム
暖かさが春を連れてきた。
そう思いたい。



街中では、辛夷が見事に花を開いた。




童謡 春が来た





辛夷は春を告げる、そもそも深山に咲く花なのである。
けれど、今では都会でも春を告げてくれる。







「群れるほど身体に沁みる辛夷の木」







花が終わると、げんこつのような実を付ける。
だから辛夷である。

秋・・・その実は赤く熟れる。
熟れきると、弾けて周囲に飛散する。

種の保存である。



こうした営みこそが、着実な時間を刻む。
歴史の歯車は、そのようにして回って来たのである。

奇想天外の物語が無い訳でもない。
けれども、あらゆる事柄には王道は無い。
それを教えてくれるのが、森羅万象。
仏教では曼荼羅。



辛夷は、春先に哲学する楽しさを教えてくれる。



極めて非哲学的である野人に、美学を教えてくれるのである。



      荒 野人