エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

白鳥は田んぼで!

2014年03月08日 | ポエム
3月7日、おっぺ川に吟行に出かけたのであった。
朝8時に東久留米駅集合。
厳しい寒さであった。

現地には、9時15分着。
白鳥は居るだろうか・・・期待に胸を躍らせて土手を登る。



この土手の向こうが、白鳥たちが群れて遊んでいる川辺である。
土手を登り切った。



むむっ・・・居ない。
一羽もいないのである。

何処か、食事に出かけたのに違いない。
メンバーは、そう信じて戻ってくるのを待つ。

麻衣さんが、バード・ウオッチのスコープとスワロフスキーの双眼鏡を持ってきたのでそれで、楽しむ。
麻衣さんは、多趣味の方である。
小鳥が鳴き、飛び交う度に「あれは、なんていう鳥ですか?」と聞く。
知識を総動員して教えて下さる。



気温が段々緩んでくる。
風を避ける場所で、麻衣さんの用意されたポットとインスタントコーヒーで熱い珈琲を飲む。
梗香さんと萌黄さんの用意されたパン類、お菓子を食べつつ俳句談義。
楽しい時間が過ぎていき、やがて身体が暖まってきたのであった。

その時、4羽の白鳥が空を飛んだ。
その4羽は、ぼくたちの上を飛び程もなく、土手の向こうに飛び去った。
ぼくは、嬉しさで写真を撮る事すらしなかった。

「きっと、わたしたちに姿を見せてくれたのね・・・。」



やがて気付いたのだけれど、一羽だけ白鳥が残っている。
「あらっ、はぐれ白鳥ね!」と麻衣さん・
「そんな言い方があるの?」と萌黄さん。

面白い会話が続いて・・・。

みなが黙り込んで、詩の世界に入っていく。
俳句の言葉をメモしている。
この吟行に来たメンバーの周囲は、緊張した神経と時間が創られる。

凄い集中力だ。



「戻り来よ羽を休めよ小白鳥」



そんな気分であった。
皆さんを、お連れしたぼくとしては「申し訳ない」気持ちで一杯であった。
白鳥は都合5羽と出会ったきりである。

気がつけば、時間は一時を回っている。
白鳥は戻って来ない。

けれど、白鳥とは身近で出会えたのである。
それは明日、報告する。



ほらね、食事して休憩中の小白鳥たちである。
彼らを、思う存分観察して・・・。
ぼくたちは、3時過ぎにようやく食事にありついたのである。



この幸運を祝すかのように、夕焼けが空を覆ったのであった。
明日に、つづく・・・。



         荒 野人