ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

「完璧」と名付けられたタイヤ

2011年09月12日 | R100RS 2本サス (1981) 銀じぃ

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自社の製品に、「完璧」とネーミングするからには、余程の自信があるのだろう。

ドイツの2輪タイヤメーカー、「象さんマーク」の御存知メッツラー。

「パーフェクト」と名付けられたタイヤはこいつだけ。

ME11・ME77

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このタイヤの見出しにはクラシックと必ず付く。

古き良きトレッドパターンで旧車に似合うと。

ボクたちは古いタイヤのパターンを知っているからそう思うかもしれないけど、

今の若い人たちからすれば、別に似合うとは思わないだろう、知らないんだから。

シミー対策のひとつとして、先回、同じメッツラーのレーザーテックに履き替えた。

レーザーテックは何よりグリップが強くて、バイアスとしては現代的な性能だ。

が、ボク個人の意見として云わせてもらえば、

運動性能がパーフェクトには数段劣っている。

なにを馬鹿な、と誰もが感じると思うけど、

確かにレーザーテックの性能はかなりレベルが高い。

リーンは安定しているし、グリップも強い。

ウエットや冷寒時も安心だし、直進時の安定性も良い。

けれど、リーンにはしっかりとした荷重の移動が必要で、

そのあとの旋回性もまあ普通だ。

強いて云えば、グリップの強さとタイヤの硬さのおかげで、

強いトラクションが掛けられ、その反力として内向性を高められると云うことだ。

けれど、それならワイドリムにワイドトレッドのラジアルタイヤの方が数段上だ。

なんだろうね、バイアス末期の大型車に向いてるかも。

タイヤのケースが逆に旧車には固すぎるのかも。

「Vレンジ」だもんね。

それに比べてパーフェクトはHレンジ、フロントなんかSレンジだ。

Sレンジってピンと来なくて、調べてみたらなんと180km/h。

これを当時の取説どおりの空気圧設定で乗ると、本当にピッタリくるから不思議だ。

パーフェクトはすごく寝たがるし、廻りたがる。

イン側への荷重にものすごく敏感で、といってもクイックとは云わないけど

深く寝ながら旋回を強める。

舵角よりキャンバースラストで曲がる感じ、だからグリップがほどほどで釣り合うのか。

限界は低いけど、公道では問題にならないレベルだ。

だから今回、それを確かめたくて敢えて「パーフェクト」をチョイスした。

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ちょうど100km走ったトレッドの状態。

表面のラインも消えて、慣らし完了だね。

            〇

翌日、いつもの散歩コースへ試しに行く。

前に履いた時にはすごいシミーで閉口したけど、

ステムの締め加減を替えたおかげか、このパーフェクトでもまったく振れなかった。

唯一の欠点はニブリング特性が悪い事かな。

路面の縦溝にフロントを取られるなんて最近のタイヤでは有り得ないから

経験のない人は最初ちょっと怖いかもしれない。

中央道の恵那山トンネルって路面に縦溝があるって知らないでしょ?

パーフェクトを履いて走ってみるとすごく怖いよ!

縦溝があるなんて思ってもいなかったから、最初走った時、マジでパンクした!って思ったね。

でもニブリングで吹っ飛ぶことはないから落ち着けば大丈夫。

そう云えば、最近じゃあこう云うオートバイの挙動を表す言葉をレース以外では聞かなくなったな。

ウォブル、ヨーイング、ジャダーそれに今云ったニブリングなんてよくあった。

そうそう、NSRのキックバックは強烈だったね。

それに比べると銀ジィ(’81R100RS)なんて古いわりによく出来てる。

操縦安定性とかハンドリングなんかは欧州車のほうが進んでたのかも。

ともあれメッツラー パーフェクト ME11・ME77はベストマッチ。

二本サスのRSなら、経験する価値はあると思うけど、どうでしょう?

ウエットはメチャ弱だけど・・・

今年は秋が早いね、もうサクラが散ってるよ。

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