気が付けば、コンビニに「中華まん」ののぼりが立っていた。
季節はもうすっかり秋の装いだ。
稲刈りが迫った田んぼからは、刈入れが迫った独特の匂いがする。
青々としていた葉の色が黄色味を増し、稲穂が重たく実って首を垂れる。
生き物にとって実りの秋は格別な季節だ。
秋の田の匂いを胸いっぱい吸い込むと、身体が悦んでいるのを感じる。
そして秋はその実りに感謝する、祭りの季節でもある。
オートバイで山里を走ると、そこかしこで秋祭りに出会う。
今日途中で通り過ぎた「水窪」は、天竜川の上流部にある山里。
中心部は大きな集落で、人も多い。
水窪はその日、秋の祭りで、そこら中で人が集まり
いつになく華やいだ雰囲気が充満していた。
ところかまわず出てきては、曲がって行く軽四の動くパイロンたち。
もちろん、ここは彼らのテリトリー。
郷に入っては郷に従うのが、旅人の掟。
細心の注意で街を通り抜ける。
まだまだ日差しは強くて勢いがあるけど、
夜の間に冷やされた空気は昼になっても涼やかだ。
〇
兵越峠を越えて、遠山川の深い谷底へ下りていく。
下りても下りてもなお小刻みにターンを繰り返して高度を下げる。
分断された国道の北側へ合流しても、さらにくねくねと道は谷へ続く。
今日はここが目的地。
遠山郷の「かぐらの湯」
上空には高い秋の空が広がる。
ここの風呂は広々とした浴槽なのに、あまり人が多くないのがポイント。
ゆっくり湯に浸かって、ソースかつ丼を喰って、広間で午睡をむさぼる。
開け放たれた掃き出しの広い窓から涼風が迷い込んで
あまりの心地よさに熟睡してしまった。
〇
どっかで風呂にでも入ってのんびりしようか・・・
と思いつくと、大概ここへ来るのだけれど、
如何せん、家からこの遠山郷はちとばかし遠い。
しかもクネクネ道が大好物なので、性質が悪い。
午睡のつもりが爆睡になっちまったから、起き抜けの身体が重い。
国道へ出ようかどうか迷いながら、まだもうちょっと走りたいなと、
よせば良いのに県道1号線(長野・愛知県飯田富山佐久間線)に流れ込んだ。
平岡から佐久間までおよそ45km。
さすがに楽しくはなかったかな。
富山からの長かったこと長かったこと・・・
途中、秘境駅の大嵐(おおぞれ)駅に寄って休憩。
天竜川に架かる大きな吊り橋で流れを見てたら
どこか近くの拡声器から広報放送。
「水窪まつりの仮装大会の結果をお知らせします」だって。
まさか、あそこでそんな催しがあったとは・・・
見てくればよかったか?と後悔したとかしなかったとか。
読んでいるこちらまでのんびりとした気分になりました。
今週末は私もどこかの温泉にでも浸かりに行こうかな。
露が降りるころになると、稲が枯れてきます。
秋の田の匂いはすなわち藁の香りですね。
原始から枯草を敷いて寝てきたDNAを刺激されるんでしょうか
tentyoさん
いやー昼寝までは良かったんですけど
帰りの県道でリアブレーキのコントロールで足首が痛んで
正直疲れてしまいました。
帰宅して風呂に入ってホッとしました(笑)