イヤになるほど走ってやろうと思うことがある。
でも、基本的にはオートバイで走ることがバカほど好きだから
一日走り終わって、
クッソー!もう二度と走るもんか―!
と思うほど走ったことはない。
でも、今日のコースには、ちょっと参った。
374km。
約7時間。
「売木」で愛知をちょっと出ただけで、ほぼ県内でこの距離だ。
7月最後の週末で、どこも人で溢れてるだろうからと、
国道を避けて走ろう、と思ったのが今回のルート選びのタネ。
まあ、楽しかった、が半分。
正直ちょっときつかったかな、が半分。
〇
県道の中に、主要地方道という括りがあるけど、
高速や国道とならんで、広域での幹線道として整備されている県道・市道のことらしい。
愛知県の県道では1号線から81号線までがそれと指定されている。
愛知県の奥三河の核となるのは設楽(田口)と東栄だけど、
今回は東栄町を軸にして主要地方道に指定されている県道をつないで走った。
〇
県道74号線(愛知県・阿南東栄線)は大入川の谷を挟んで
東栄町と豊根村に分かれる。
非常に気持ちの良いルートで、並行する国道なんかよりよっぽどオートバイ向きだ。
もちろん、こんなルートを選ぶ粋な人は少ないから
多くても5台以上のオートバイとは擦れ違わない。
美味いスイーツが喰えるCAFEなんてないし、
見知らぬ人と楽しく交流できる道の駅もない。
ただ、蕎麦屋はある。
それも、旨いらしい・・・
主要地方道というのは国からもお金が出ていて
こんな具合に、ところどころだが意味もなく過剰に整備されている。
木々に覆われた薄暗い坪沢峠。
ただし県道はここからまだまだ高度を上げていき、
この先の御薗トンネルを越えてようやく、
しかし急激に、大入川に向かって谷へ下りる。
この川に下に新豊根ダムがある。
やけに立派な豊根村役場の脇から74号線はまた山へ分け入る。
にしても立派だ。いや立派過ぎる。
裏手には屋根付の広場があって、盆踊りの櫓が組んであったし。
ダムの補助金か。まあいいや。
〇
この辺りからは小さな集落をつないで走る。
時代錯誤かもしれないけど、こういったシンプルな家屋にすごく憧れる。
ノスタルジーと云えばそうなのかもしれないけど、
少ない人、少ないモノ、狭い世間。
そういう生活や世界こそ人にふさわしいと思うからだ。
何でもかんでも「知っている」必要はないし、
大切なのは「情報」ではなくて、心を込めた人の「営み」だと思う。
過分を慎み、お陰様を尊ぶ。
見栄を張らず、卑屈にもならない。
オートバイに乗って、こうした山里を走っていると、
本当に気持ちがピュアになっていくからうれしい、と感じる。
〇
74号線を走りとおして、新野峠で県道447号線を伝って売木へ出る。
売木からは茶臼山高原へ向かって駆け上がり、売木峠を経て、根羽へ下りる。
この県道46号線(長野県・阿南根羽線)は
奥三河高原観光の中心地「茶臼山」へのアクセス道路なので
もちろん主要地方道のひとつだ。
ほぼ全線が2車線で、カーブも気持ちいいワインディング。
ただしちょっと路面のうねりが多い。
ダブル(W800SE)にバシバシ鞭を入れて、いっきに峠へ駆け上がる。
〇
根羽から国道へ出て、県道20号線へ入る。
20号線も主要地方道で岐阜の瑞浪まで通っている。
国道257号線まで出るためにここへ入ったんだけど、すごい悪路。
標識に出た幅員規制標識は「1.7m」
レクサスLSは通れません。
好きか嫌いかで云うと、「大好き」この道。
〇
257号で稲武へ出て、その先で今度は県道80号線(愛知県・東栄稲武線)へ。
田口から根羽へ向かう県道10号線(愛知県・設楽根羽線)とクロスする県道。
茶臼山高原道路の面ノ木峠までは井山川の渓流に沿う。
折しも夏休みで大勢の家族連れが川遊びに興じていた。
しかし、この80号線は細くてクネクネと果てしなく続く夢のような道路だ。
高度がそこそこあるので暑さはそれ程でもないんだけど、
さすがにちょっと疲れてきた。
けれど、80号線はどこまでも終わらないのだ。
国道151号線までの距離の案内標識が出て、ようやく終点(管理上ではこちらが起点)。
ううー、疲れたー、と感じても、しばらく休むと回復。
まだまだ走れる。
さらに東栄からまた国道257に戻るために
県道32号線(愛知県・鳳来東栄線)で山を越えた。
仏坂峠のトンネルを抜けると、四谷の千枚田。
ずいぶん稲が育って、そろそろ花が咲くころだ。
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