走っていれば風の涼しさが増しているのがわかるけど、
やはり止まるとまだまだ日差しは真夏とさほど変わらない。
さらけ出した腕にジリジリと夏が突き刺さる。
よく休憩する酒屋さんが休みだったので、
シャッターを閉ざした店の前、軒にできた小さな日陰にオートバイを入れて停めた。
日陰は50センチくらいの幅しかなくて、
ボクもシャッターに貼りつくようにして、その中に入り込む。
日陰と日向、この50センチで体感温度が全然違う。
黒いラベルのコカコーラをやりながら
近くの田んぼ上空で繰り広げられる、カラスとトンビの喧嘩を眺める。
必死に逃げ回るトンビに、3羽のカラスがかぁーかぁー喚き散らす。
カラスってトンビが嫌いだね。よく追い回してるのを見かける。
〇
突然、酒屋のシャッターがガラガラと開いた。
顔を出したおかあさんに「すぐどかします」と詫びながら云うと、
「いいですよ、暑いからねー」と返す。
「まだ昼間は暑いですねー、ほんとに」
「日差しがねー、強い」
「オートバイで走ってると、日陰の涼しさが変わってきたように感じますよ」
「でもね、陽が傾くと、さーっと冷えて来るよ」
「そうですか」
「今朝、散歩してたら、その先の温度計が18℃だったわ」
おかあさんはそう教えてくれた。
処暑を迎えてなお暑い日々、とニュースは盛んに伝えるけど、
山里には暦どおりの秋が忍び寄る。
田んぼでは稲穂がこうべをもたげているし、
よく見れば、色付きを見せる葉っぱも見かける。
こんなキノコやどんぐりが足元には見られる。
作手の高原ではもう秋の使者が風に揺られていたよ。
こうなると素肌を射す夏の強い日差しもなんだか愛惜しく感じる。
今年も暑い暑い夏をありがとう。
そして間もなく真っ赤な彼岸花が田の畔道に咲きだしてツーリングに一番快適なシーズンの幕開けですね。
今日はもうすっかり風が涼しくて、半袖ではサブかったです。
tentyoさん
彼岸花の頃、キンモクセイの匂いでも秋の幸せを感じます。
幸せであると同時にちょっ寂しくもありますね、秋は。